夢幻水滸伝
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第百四十一話 敵影発見その五
「綾乃ちゃんやからな」
「その意味でも綾乃ちゃんを狙って来るしな」
「そしてや」
何といってもというのだ。
「綾乃ちゃんは棟梁やしな」
「総大将を倒したら勝ちや」
「そうした意味でもやな」
「綾乃ちゃんを狙って来るのがアメリカの作戦やしな」
「そこを僕等は逆手に取る策や」
「そうしたことを考えるとな」
「逆にや」
まさにというのだ。
「仕掛けるで」
「ほなな」
「しかし」
ここでだ、芥川は中里にこんなことも言った。
「アメリカにも勝つ自信は絶対にあるし後の戦でもやが」
「それでもやな」
「辛い、綱渡りの状況が続くな」
「圧倒的な戦力差がある相手との戦が続くな」
「日本を統一する時とは違ってな」
「あの時はな」
どうだったかとだ、芥川は中里にこうも話した。
「こっちは星のモンの数にな」
「兵の数、技術、物量全部で勝ってたな」
「そのことを考えてな」
「念頭に置いてやな」
「戦ってきたけどな」
「油断してへんでもな」
「やっぱりこっちが数とか技術でも有利やとな」
その場合はというのだ。
「精神的に余裕があるわ」
「それあるな」
「例え敵に囲まれていてもな」
そうした状況でもというのだ。
「各個撃破も出来るしな」
「実際にそうしてきたしな」
「そや、ほんまにな」
「敵より兵の数でも技術でも有利やとな」
「物量でもや、それやったらな」
まさにというのだ。
「ええが」
「それでもやな」
「今回はちゃう」
「ずっと不利なままやな」
「特に兵の数では常にな」
「それで綱渡りやな」
「正直しんどい、軍師はどんな状況でも最善の策を出すもんや」
それが軍師の仕事だというのだ。
「何があってもな」
「それで苦心してやな」
「策を出してるけどな」
「それがやな」
「綱渡りや」
そうした状況だというのだ。
「少しでも間違えるとな」
「負けてたな」
「少なくとも策のうえではな」
「そやったんやな」
「さしあたって戦場となる場所は想定して」
そしてというのだ。
「どうした場所かは調べて把握してるけれどな」
「そこで何が起こるか、か」
「アクシデントは付きものやろ」
「戦でも何でもな」
「それでや」
「何があってもか」
「いい様に事前に考えてて」
それでというのだ。
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