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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百七十六話 香織さんとの距離その五

「植物園とか博物館でもね」
「校舎でもよね」
「やるよ、八条グループの人達が来てくれてね」
 そのうえでだ。
「やってくれるんだ」
「そうなのね」
「だからね」
 僕はさらに話した。
「こちらも楽しみにしていいよ」
「そうなのね」
「鉄道博物館なんてね」
 こちらのイルミネーションはというと。
「もう汽車もね」
「イルミネーションで飾られて」
「物凄く奇麗だから」
「見ていいのね」
「後悔しないよ」
 このことも保証した。
「絶対に」
「それはいいわね」
「だからテストが終わったら」
「楽しみにしていていいのね」
「是非ね、ただね」
「ただ?」
「寒いから」
 このことはどうしても忘れられず話した。
「このことはね」
「注意して」
「それで観に行くといいよ」
「わかったわ、じゃあ二人でね」
「二人?」
「それで行きましょう」
「その二人ってまさか」
 香織さんの言葉だけでなく視線僕をじっと見ているそれも感じ取ってそうして香織さん自信に言葉を返した。
「僕かな」
「駄目かしら」
「僕でいいのかな」
「いいと思うからよ」
 香織さんは僕に微笑んで答えた。
「今言ってるのよ」
「そうだよね」
「じゃあクリスマスね」
「まだちょっと約束出来ないよ」
 僕は内心思わぬ展開に戸惑いつつ香織さんに答えた。
「悪いけれど」
「じゃあ少し」
「待っていてくれるかな」
「わかったわ」
 香織さんは僕に微笑んだまま応えた。
「じゃあね」
「クリスマスはね」
 僕はこの日についてさらに話した。
「やっぱり特別な日だね」
「そうよね」
「正確に言うと特別な日になったよ」
 僕はここで笑ってこうも言った。
「日本で」
「そもそも日本ってキリスト教徒の人少ないし」
「全体の一パーセント位だから」
 日本人のだ。
「大体百二十万人だね」
「百万っていうと多いけれど」
「人口の一パーセントって考えたら」
「少ないわね」
「実はそうなんだよね」
「そう、そしてね」
 香織さんはさらに話した。
「戦後からよね、クリスマスが定着したのは」
「それまで知識としてもね」
「あまりなかったわね」
「そうだったよ」
 日本軍にも当然そうした考えはなくて十二月のその日は何でもない日だった、だから慰安婦の人がクリスマスがどうとか言うのは明らかにおかしいのだ。
「本当に戦後からだよ」
「特別な日になったのよね」
「ケーキやローストチキンを食べて」
 正確には七面鳥だ、ローストターキーだ。 
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