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ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)

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ラグズランド島

イレイズ

それはレプリロイドのプログラムが突如消えてなくなり、まるで魂が抜けたかのように二度と動かなくなる現象を呼ぶ。この現象に侵されたレプリロイドは修復処置のしようがない上に原因がわからないため、イレギュラーハンターは、この事件に手を焼かされていた。





ハンターベース 会議室


「今回、この『イレイズ』こと『イレイズ現象』が大量に発生したのは、南洋諸島、レプリロイド研究所が置かれているラグズランド島です。衛星を経由してでの解析を行いましたが前日まで確認されていたレプリロイドの反応が一つ残らず消失しています。」

会議室で女性オペレーターは、今回の事件が多発したラグズランド島の映像を映しながら説明する。その説明をこの場にいないエックスを除く各部隊の隊長が聞く。

「イレイズか。今回の事件を見る限りやはりただのプログラムウィルスとかの問題ではなさそうだな。」

ドラグーンは腕を組みながら言う。

「幸い現在多発したのはこの島だけか。しかし、さらに被害が拡大する恐れがないとは言い切れんな。」

「はい、今回の事件においてハンター上層部の方ではこの事態の早期終結をするべくラグズランド島に調査に迎えとのことです。」

この会議で、調査に向かうのは、ゼロの第0部隊とエックス率いる17部隊と決まった。

最初は旅行中のエックスを呼び戻そうという案もあったが今回は飽くまで調査、呼び戻す必要はないとゼロが進言し、代理を務めているビートブードたち数名と上層部でも優秀だと評判のアイリスを臨時オペレーターとしてチームに加え、派遣することが決まった。

この報告を聞いた時、アイリスは目を丸くして驚いていた。































数日後 ラグズランド島 海岸

ゼロたち調査部隊が到着した時、本部での情報通り島は無人島のように静かになっていた。

「どうやら、反応が無くなったというのは本当のようだな。」

ゼロは砂浜に立って辺りを見回す。

ちなみに今回の調査はドラえもんたちも同行している(玉美に関してはマンドリラーと一緒にお留守番)。

「おぉ~!!随分いいところじゃん!」

「本当、リゾート地としてはピッタリだと思うよ。」

「お前ら、今回は調査しに来たんだ。遊びに来たんじゃないんだぞ?」

感動しているジャイアンとスネ夫に対してゼロは注意する。

「ゼロさんの言う通りだよ。みんな、気を引き締めて。」

「「は~い。」」

「アイリスさん、レーダーにレプリロイドの反応は?」

ホーネックは端末を操作するアイリスに聞く。

「ダメです。全く反応がありません。」

「妨害電波らしきものは確認できないな・・・・・よし、ホーネックはビートブードたちと一緒にここにベースキャンプを敷いて待機。俺とアイリス、ドラえもんたちは市街地の方へ行く。」

「了解しました。こちらで機材とか並べ終えたらハンター本部と連絡を取った後に近辺の調査にかかります。」

「じゃあ、みんな。タケコプター付けて。」

ドラえもんはポケットから人数分のタケコプターを取り出す。

「いくらなんでも早すぎないか?」

「大丈夫、街から少し離れたところで降りれば目立たないから。」

ドラえもんはそう言いながら頭にタケコプターを付けて移動を始める。






















街に到着すると至る所にレプリロイドたちが倒れていた。

「反応はどうだ?」

「ダメです。全く反応がありません。」

アイリスは倒れているレプリロイドを調べながら言う。

「でも、変じゃないか?何でこうもこんなにたくさんのレプリロイドが動かなくなるんだ?」

「そんなこと聞かれたってわからないよ。僕たちは人間なんだし。」

「それもそうだな。」

「・・・・・・とりあえず調べられるだけデータを回収しよう。何か嫌な予感がするからな。」

ゼロはそう言いながらセイバーを引き抜く。

「?ゼロ隊長?」

ゼロは、とっさにアイリスの背後を斬りつける。

「「「「!?」」」」

「!?」

この行動にはアイリスもドラえもんたちも驚いた。しかし、斬られたところを見るとそこには明らかに今死亡したと見られるイレギュラーが倒れていた。

「全員、走れ!!」

ゼロの叫びでドラえもんたちは揃ってクモの子を散らすようにして近くの岩陰へと隠れる。そこからそっと覗いてみるとゼロの真上に骸骨のような外見の大型メカニロイドが姿を現していた。

「くっ!こんな時にバスターが使えないのが不便に感じるぜ。」

ゼロはメカニロイドの攻撃を回避しながらZセイバーで斬りつける。

ドップラーの反乱終了後、ゼロはケインにバスターの修理を依頼したのだがICチップの破損、バスターの回路が完全に焼き切れてしまったこともあり、修理の目途は立たないと言われてしまっていた。そのため、今の彼にはバスターは装備されていない。

幸いメカニロイドの動きが単調であったこともあり、ゼロはうまくメカニロイドの動きを奪い、動力炉にセイバーを突き刺して仕留めた。

「ふう・・・・・・・ん?」

ゼロはメカニロイドの残骸から何かを拾い上げた。

「これは・・・・・?」

「なんだ?そのでっかい光る球は?」

「う~ん・・・・もしかして、今回の事件に関係あるのかな?」

ドラえもんたちはゼロの手にある謎の物体を見て首を傾げる。

「・・・・・・ここにいてはまたいつ襲われるかわからん。一旦、引き返してこれの解析が済んだらまた乗り込もう。」

「そうですね、あのメカニロイドも一体何者が作ったのかもわかりませんから。」

そう言うとゼロたちは拠点の方へと戻り、回収された物体の詳しい解析を行うために一度拠点まで戻ることにした。



























ラグズランド島 海岸

海辺の臨時のベースキャンプを張ったイレギュラーハンターたちは早速ゼロが回収した物体の解析を行っていた。

しかし、その直後外部から謎の通信が入った。

回線を開くと画面には騎士の姿をしたレプリロイドの姿が映し出された。

「何だコイツは!?」

『ズッ、ズッ、ズッ・・・・・・・・・・・貴様・・・・・たちか?人の島で勝手に暴れていたのは。』

「人の島って。貴方はこの島の管理をしている人ですか?」

「ドラえもん、どう見てもそう見えないと思うけど・・・・・」

『・・・・・ソウルイレイザー、邪悪なイレギュラーの魂を消す者。』

「馬鹿な!?正常のレプリロイドは消え、イレギュラーがのみが動いているこの事態でソウルイレイザーだとっ!?一体何が狙いだ!?」

ゼロは思わず机を叩いて言う。

『随分と威勢がいいな。・・・・・面白い、此処は一つゲームをしてみよう。』

ゼロの反応に対して騎士型レプリロイドは一つ提案をする。

『この島にはガーディアンと呼ばれているものが8人いる。そのすべてを倒せたらお前らの相手をしてやる。』

「なんだとっ!?さっきから勝手に言いたいことだけ言いまくりやがって!!」

ジャイアンは思わず画面を叩き割ろうとする。

「やめなよジャイアン!?これ、高いんだよ!?」

「うるせぇ!俺はどうもコイツの態度が気に入らねえ!」

スネ夫がジャイアンを止めている間にドラえもんとしずかがレプリロイドに言葉を掛ける。

「そんなことをして何になるんですか?無駄な戦いはやめてください。」

「戦って一体何の意味があるというんですか?」

「二人とも、どうやらコイツは話し合いよりもその8人を倒して直接聞いた方が早そうだ。」

『物分かりがいいな、イレギュラーハンター ゼロよ。お前たちの到着を楽しみにしているぞ。我が名はガレス。また、会おう。』

ガレスと名乗ったレプリロイドはそう言い残すと通信を切った。アイリスは早速ハンター本部から取り寄せたデータバンクを調べ始める。

「・・・・・・情報を検索してみましたが“ガレス”というレプリロイドのデータはどこにもありません。」

同時にホーネックが先ほどの物体の解析データを持ってきた。

「先ほど、ゼロ隊長が持ってきた物体の解析データが出ました。どうやらこれにはレプリロイドのDNAデータが大量に含まれており、島で確認されているイレギュラーは島でイレイズしているレプリロイドのDNAデータを利用して動いているものと思われます。」

「正常なレプリロイドをイレイズさせてDNAデータを抜き取り、利用してイレギュラーを作り出しているというのか。」

「後、先ほど一瞬しか出なかったので怪しんで調べても、他のですが反応の中には過去の大戦で死亡したレプリロイドの反応も・・・・・・」

「・・・・・まるで人間でいう魂みたいなものだね。いっその事“DNAソウル”って呼んでもいいんじゃないかな?」

スネ夫は何げなく言うと全員がスネ夫を見る。

「あら?ちょっと合わなかったかな?」

「いや、名前があるのに越したことはないだろう。だが、イレギュラーのその・・・・ソウルまで逃しておくわけにはいかんな。」

「そうですね。イレギュラーから出るソウルは優先的に回収した方がいいと思います。後、善良なレプリロイドたちのソウルも。」

「あぁ・・・・・アイリスは引き続きこのDNAソウルの解析を頼む。」

「分かりました。」

「あ~あ~、今日一日あちこち動いたもんだから腹減っちまったな。」

ジャイアンは腹を擦りながら言う。

「そうだね、そろそろ夕飯の時間だし、みんなでご飯にでもしようか。」

ドラえもんはそう言いながらポケットに手を突っ込んだ。
































一方、新婚旅行中のエックスはというと

「『ラグズランド島でイレイズ現象多発。イレギュラーハンター本部、部隊を派遣』か。・・・・・ここから結構近いな。」

エックスは、夕食のレストランで今日の新聞を読みながら夜の海を眺める。

「心配ないわよ。向こうにはゼロたちもいるんだし、ドラえもんたちだっているんだから。」

「あぁ・・・・でも、胸騒ぎがするんだよな・・・・。」

マーティの言葉を聞きながらエックスが少し心配していると注文していた食事が届く。

「そんなことばかり考えていたら折角の新婚旅行が台無しよ?分からないわけじゃないけど、楽しまなきゃ!」

「・・・・そうだね、ドラえもんのことだもの。きっと危なくなったらゼロを助けてくれるさ。」

エックスは、そう言うと注がれたシャンパンのグラスを手に取る。

「それじゃあ」

「うん。」

「「乾杯。」」

二人はグラスを打ち合わせると入っているシャンパンを飲み、食事を始めた。




























ラグズランド島 イレギュラーハンター臨時拠点

「グガ~、グガ~。」

「スヤスヤ・・・・・・」

「う~ん~・・・・・・・ママ・・・・・」

「う~ん~・・・・・どら焼きの山・・・・・」

夕食を終え、ドラえもんたちはキャンピングカプセルで眠り、一般ハンターたちは交代で周囲の警護。アイリスは、一人静かに回収されたDNAソウルの解析を続けていた。

「・・・・・・・・」

「どうだ?」

「あっ、ゼロ隊長。」

後ろから声を掛けて来たゼロにアイリスは手を止める。

「何処行ってたんですか?夕食終わってから風に当たりに行くって言ってただけなのに・・・・。」

「ガレスの奴が言っていたガーディアンの配置場所がこのエリアの近くにあったんでな。それを調べに行っていた。そして、案の定これだ。」

ゼロは、机の上に昼間回収したものとは別のDNAソウルをいくつか置く。

「これは・・・・・・」

「どういうわけか復活していたナウマンダーとオクトパルドから回収したものだ。完全とは言えないが確かに甦っていた。」

「・・・・・やっぱり、黒幕はシグマなんでしょうか?」

シグマのことはレプリフォースでもよく聞いていた。

それ故に今回の事件に彼が無縁だとは言い切れない。

そんな心配そうな表情をするアイリスにゼロはボトルを渡す。

イチゴミルク風のミックスオレだ。

「研修生でこんな事に付き合わせてしまっているからな、俺からの差し入れだ。」

「あ、ありがとうございます・・・・・」

アイリスはボトルを受け取ると、早速ストローで飲み始める。一方のゼロは、自分の分として持ってきた微糖の缶コーヒーを飲む。

「・・・・・・・ゼロ隊長は、甘い物が苦手なんですか?」

「いや、どら焼きとかは結構食べるが時々ほろ苦いものが恋しくなるんでな。だから、少し甘さのある程度のこれが丁度いいんだ。」

「そうなんですか・・・・・・」

意外な一面を見たと思っているアイリスに対してゼロは続けて言葉をかける。

「・・・・・・アイリス、以前から言おうと思っていたんだが・・・・その隊長とか敬語を使うのはやめてもらえないか?」

「えっ?」

「ホーネックは副官で元々ああいう性格だから仕方ないがそういう言い方はどうも苦手なんだ。それに今のお前は俺たちのチームの一員だ。別に敬語で話す必要はないだろう?」

「・・・・・でも・・・」

「まあ、俺は隊長になる以前なんか別部隊の隊長だったイーグリードとかに普通にタメ口で話したりしていたんだけどな。エックスに対しても『隊長』なんて一言も言ったことないし。はっきり言って、仲間同士で敬語は必要ないと思うんだ。」

アイリスは、ふとジャイアンたちやドラえもんのこと思い出す。確かに『さん』とはつけるが敬語はほとんど使っていない。それも仲間である故なのだろう。

「・・・・・・・そうよね、仲間・・・・・だものね。これからもよろしくねゼロ。」

「あぁ。これからもよろしく頼む。」

そんな二人をホーネックはこっそり覗き見していた。

(あの二人・・・・・・本当にお似合いだな。いっその事、レプリフォースに頼み込んで彼女に転職してもらおうかな?でも、アイリスさんのお兄さんってあのカーネルさんだからな・・・・・言ったら言ったで怒られそうだし・・・・・・・)

「おい」

(でも、アイリスさんだったらきっとゼロ隊長を更正させてくれるはず!現に・・・・・)

「おい、ホーネック。こんなところで何ジロジロと人のことを見ているんだ?」

「えっ?」

ホーネックは目の前で自分のことを見ているゼロを見て現実へと戻る。

「あっ!あぁ!!疲れてそろそろ休もうと思ったところ偶然お二人がいるところを見かけましたので。」

「・・・・・・本当にそうか?」

「そうですよ!私は何も変なことを考えていませんよ!?」

そう言いながらホーネックは急いでその場から逃げて行った。

「・・・・・全く。アイツ、アイリスが来てからなんか変な目で見るようになったんだよな。」

「どうかしたの?」

「ん?いや。俺もそろそろ休むがアイリスもその辺にしておけよ。何かあったらカーネルの奴に斬られるかもしれないからな。」

ゼロはそんな冗談を言いながら、その夜、眠りについた。


 
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