夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百三十九話 軍師の読みその十
「そやからな」
「是非やね」
「あの技術は欲しい」
「ほんまにそやね」
「人口に多くの穀倉地帯にな」
「資源に技術で」
「統一した僕等の勢力は文句なしにこの世界最強の勢力になる」
文句なしにとだ、芥川は言い切った。
「この世界全体の統一にも一気に近付くわ」
「そうなるね」
「欧州はともかく枢軸にもな」
「優勢に立てるし」
「圧倒的にな、そやからアメリカの技術はな」
「絶対に必要やね」
「何ていうてもな、敵としては手強くても」
それでもというのだ。
「味方になれば」
「有り難い存在になってくれるね」
「有能な敵は有能な味方になる」
芥川もこう言った。
「そういうことやな」
「そや、まさにな」
「国力についてもそやな」
「自分達のものになったらな」
「これ以上はない力になるな」
「そういうことや、それと」
芥川はさらに話した。
「今回気候は安定してる」
「台風は来てへんな」
「雨も大風もな」
そういったものもというのだ。
「ないさかいな」
「戦の時はそういったもんは気にせんで」
「それでやるで」
「わかったわ、南洋戦では台風を使ったけどな」
中里はこの時の戦のことを思い出しつつ話した。
「今度はな」
「安定した気候をな」
「それを使ってくな」
「戦の日にどうなるかわからんが」
それでもというのだ。
「どんな気候でもな」
「使いこなしてくな」
「それが戦やろ」
「まさにな、晴れなら晴れで戦って」
「雨なら雨でな」
「戦ってくな」
「それぞれの条件下でな」
そうしていくことだとだ、芥川は中里に話した。
「万全に戦う」
「それが戦やな」
「そういうことや、出来るな」
「勿論や」
中里は確かな笑みで答えた。
「それが出来てこその軍を預かるモンや」
「そういうことやな」
「それでアメリカとの戦の時はやな」
「別にな」
これといって、というのだ。
「天気荒れんで」
「そうなんやな」
「それで晴れの場合の戦をしたらな」
「ええな」
「そうしたらええわ」
まさにとだ、芥川も答えた。
「それでな」
「ほなな」
「とにかくこの度の戦はな」
「そうして戦うんやな」
「そや、そしてな」
「勝つな」
「そうするわ、正念場が続くが」
全てを賭けた決戦、それがというのだ。
ページ上へ戻る