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夢幻水滸伝

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第百三十九話 軍師の読みその九

「冗談抜きで一騎打ちやと太平洋と地下世界の星のモン最強やからな」
「だからか」
「そや、ほんまにその剣技はな」
 何と言ってもという口調での言葉だった。
「一騎打ちでな」
「使われるべきか」
「そして南洋戦と中国戦でも一騎打ちしてもらったけどな」
「今度のアメリカ戦でもか」
「やってもらうで」
 その一騎打ちをというのだ。
「他のモンもな」
「わかった、ではな」
「アメリカの星の連中も綾乃ちゃんを集中的に狙って来る」
 芥川はこの読みも話した。
「それやとな」
「我々もだな」
「相手の居場所がわかるからな」
 綾乃を攻めてきてというのだ。
「そやからな」
「そこに我々が行くのだな」
「そうしてもらうで」
「わかった、ではな」
「そういうことでな、うちの強みは星のモンや」
「そやな、これだけおるからな」
 中里は芥川のその言葉に頷いて応えた。
「一騎打ちに向けてもな」
「まだ二十人以上のモンを軍勢同士の戦に向けられるな」
「一騎打ちで向こうの星のモン全員動けん様にしてな」
「勝つうえでな」
「そう思うとな」
「うちの強みはホンマにや」
「星のモンが多いことやな」
 中里は芥川に強い声で頷いて応えた。
「ほんまに」
「そや、それでや」
「今回もそこは使うな」
「アメリカもそれはわかっててな」
 日本の最大の強みである星の者の多さはというのだ。
「一騎打ちとか避けようとするやろが」
「敵の居場所がわかってるとか」
「そや、一騎打ちを挑めて」
 そしてというのだ。
「アメリカの星の連中の性格はわかってるな」
「ああ、色々な奴がおるが」
 それでもとだ、中里は芥川に話した。
「どいつも一騎打ちを挑まれて拒む奴やないな」
「むしろそれならってな」
「応じてくるな」
「そういう奴ばかりやからな」
 芥川は中里に微笑んで答えた。
「それでや」
「今度の戦でもやな」
「そうしてアメリカの星の連中は封じて」
 そしてというのだ。
「そのうえでな」
「こっちの策をやな」
「全部ぶつけるんや」
「そうするな」
「兵は詭道やというし」 
 孫子の言葉、それも出しての言葉だ。
「敵が来るなら裏をかいてな」
「返り討ちにするな」
「所謂カウンターや」
「今回はそれやな」
「そういうことや、しかしアメリカの技術はホンマに凄い」
 芥川はこのことは全面的に肯定した、そのうえで今はこう言うのだった。
「この世界随一や」
「そやからやね」
「そや、その技術は戦が終わったらな」
「太平洋と地下世界全域に使えるね」
「そうなる、太平洋と地下世界の技術力が飛躍的に上がるわ」
 統一の際アメリカが加わるからだ、そうなるというのだ。 
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