八条学園騒動記
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第五百六十九話 マウリアから見た連合という国その十一
「左様です」
「お祭りね」
「文化祭という名前通り」
文化『祭』という言葉についても話した。
「文字通りです」
「お祭りで」
「非常に楽しいです」
「そうなのね」
「体育祭も」
こちらもというのだ。
「非常に」
「そうなのね」
「はい、まことに」
「それはわかったわ。ただね」
ルビーはセーラに今度は自分から尋ねた。
「連合の文化祭とかは知ってるけれど」
「劇やお店が出て楽しいものだと」
「それはわかったけれど」
それでもとだ、ルビーはさらに言うのだった。
「マウリアやエウロパにも文化祭あるのよね」
「左様です」
「そっちはどうなの?」
「マウリアはカーストがありますね」
「ヒンズー教のね」
「同じカースト同士で集まるので」
それ故にというのだ。
「学校でも」
「そうなっていてなの」
「それぞれのカーストのコミュニティの中で行う」
「そうした風なの」
「この様に誰もが一緒に楽しむ様なことはないです」
マウリアの文化祭はというのだ。
「体育祭もです」
「そうなのね」
「カーストが違うと交わらないので」
マウリアではそうだというのだ、尚そのカーストは大きく分けて四つだが細かく分けるとこの時代では万を超えると言われている。
「どうしても」
「そこあるのね」
「職業分化と婚姻相手を決めることにも役立っていて」
「同じカースト同士で結婚するのね」
「そうもなっていまして」
それでというのだ。
「定着していて学園でもです」
「カーストがあって」
「明確なそれが」
所謂スクールカーストという制度化されていないものではないというのだ、マウリアに存在しているそれは。
「ですから」
「それによってなのね」
「はい、どうしてもです」
マウリアではというのだ。
「この様に誰もがとはならず」
「同じカースト同士での交流に終わる」
「そうしたものです」
「そうなのね」
「そしてエウロパでは」
セーラは今度はこの国の文化祭について話した。
「平民と貴族が存在していますね」
「あそこも階級社会ね」
「はい、そして」
それでというのだ。
「どうしてもです」
「あそこは貴族の学校と平民の学校があるのよね」
「どちらの階級もそれぞれの学校に入るので」
それでというのだ。
「やはり交わりはありません」
「連合のお嬢様学校とかとは違うのね」
「連合は資産によりますね」
「行く学校はね」
「エウロパは階級です」
それで決まるというのだ。
「資産は変わりますが」
「階級は変わらないの」
「はい、ですから」
セーラはさらに話した。
「どうしてもです」
「貴族共は貴族の学校に行くのね」
ルビーは『共』とわざと入れてその感情も述べた。
「そして平民は平民で」
「そちらの学校に通うので」
「やっぱり交わらないのね」
「はい」
そうだというのだ。
「それはないです」
「それで貴族はお高く止まっているのね」
「連合から見れば」
「そんな文化祭なのね」
「芸術鑑賞や舞踏会が主の」
「本当にお貴族様ね」
先程とは違う言葉を出したがやはり感情を出すルビーだった。
ページ上へ戻る