| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百七十五話 小野さんのお話その三

「それで私もです」
「その時は」
「クリスマスの時はいつも飲んでいますし」
「今年もですか」
「飲ませて頂きます」
 そのトカイをというのだ。
「是非」
「そうですか」
「お仕事の後で」
「わかりました、クリスマスが楽しみですね」
「義和様もですね」
「これまでクリスマスっていいますと」
 僕のそれはというと。
「いつも仕事か遊びから帰ってきた親父が明るく待たせたなと言って」
「そうしてですか」
「その夜がはじまっていました」
 お袋がいた時もいなかった時もこのことは同じだった。
「ケーキに七面鳥のローストに」
「ワインですか」
「子供の頃は飲んでなかったですが」
 流石に八条町でも子供はお酒は飲めない、十五歳からだ。
「ですが」
「それでもですね」
「親父が飲んでいて、ツリーも」
 これもだ。
「親父は出して飾っていました」
「そうでしたか」
「楽しかったですね」
 実は毎年楽しみにしていた。
「親父が買って来るケーキも作ってくれるローストも美味しくて」
「クリスマスはいい日ですか」
「僕にとっては」
「それは何よりですね」
 小野さんは僕のその言葉を聞いて笑顔で言ってくれた。
「クリスマスだけでなくどんな日でもです」
「いい日だとですね」
「いいことです」
「そうですよね」
「ですから義和様のクリスマスがいい日であったなら」
 実際毎年そうだった、そしてそのことがというのだ。
「素晴らしいことです」
「全くですね」
「それではご期待下さい」
「クリスマスの日も」
「必ず素晴らしい日になりますので」
 それ故にというのだ。
「是非」
「そうさせてもらいますね」
「ただ、飲み過ぎにはです」
 ワインのそれにはというのだ。
「ご注意を」
「そのことには気をつけないといけないですね」
「お酒も過ぎますと身体を壊します」
「そうですよね」
「二日酔いもありますし」
「実は去年なりました」 
 僕は小野さんに苦笑いで答えた。
「かなり飲んで」
「それで、ですか」
「幸い次の日部活とかなかったんでよかったですが」
「二日酔いで苦しまれましたか」
「朝起きて頭痛くて」
 その時起きたのは確か七時位だった。
「もう這う感じでお風呂場に行って」
「お風呂に入られてですね」
「お酒抜きました」
 それで復活した。
「何かと大変でした」
「二日酔いには付きものですね」
「そうですね、ですが」
「二日酔いで苦しまれましたか」
「かなり、親父はお風呂から上がった僕に出勤する時に笑ってそれも人生経験だって言ってました」
 二日酔い、これもだ。
「明るく」
「そうですか」
「俺もいつもなるって言って」
 この辺り酒好きの親父らしい、とはいっても親父はかなりの酒豪でそうそうよわない。
「それでお風呂場から出た僕に行って来ると言って」
「出勤されましたか」
「それで何かかなりの手術を成功させたらしいです」
 かなりの報酬も貰ったらしい。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧