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八条学園騒動記

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第五百六十九話 マウリアから見た連合という国その三

「最早」
「比べものにならないの」
「はい」
 まさにというのだ。
「当家は」
「それでもよ、八条家はまた違うから」
「連合でも指折りの資産家ですね」
「連合屈指の企業グループ経営してるのよ」
 それだけにというのだ。
「だからね」
「それで、ですか」
「あそこは違うわよ」
 どうしてもというのだ。72
「比較出来ないわよ」
「ルビーさんもそう言われますね」
「ええ、けれどシヴァ家がお金持ちということは」
 このことはというのだ。
「事実よ」
「紛れもない」
「そう、私のお家なんてお父さんは普通に工事現場の監督よ」
「そうしたお仕事ですか」
「お母さんはパートでね」
 スーパーのである。
「本当にね」
「普通にですか」
「暮らしているお家でね」
 それでというのだ。
「そうしたお家と比べると」
「全く違いますか」
「そうよ、一般庶民とマハラジャだと」
 それこそというのだ。
「もうね」
「全くですか」
「違うわよ」
 こうセーラに話した。
「連合でもね」
「それは」
「セーラもわかるでしょ」
「はい」
 セーラはルビーに素直に答えた。
「確かに」
「そこの違いよ、セーラのお金はね」
 もっと言えばシヴァ家のそれはだ。
「桁が違うのよ」
「そうなのですね」
「そう、そしてね」 
 ルビーはセーラにさらに話した、見れば今度はクレープを食べている。中にアイスクリームとバナナが入って皿の上にある。
「セーラの選んだスイーツだけれど」
「如何でしょうか」
「いい感じよ」
 笑顔での言葉だった。
「美味しいわ」
「連合の味ですか」
「まさにね、このクレープだってね」
 実際に食べてみてのコメントである。
「いいわよ」
「それは何よりです」
「連合の味をよく知ってるわね」
「連合の味は独特なので」
「やっぱり調味料沢山使うから?」
「甘味料も」
 こちらもというのだ。
「はっきりした味なので」
「だからなのね」
「これだと思いまして」
 それでというのだ。
「用意させてもらいました」
「そうだったのね」
「これがマウリアですと」
「もう極端に甘いのね」
「はっきりとした味ではなくです」
「極端に甘いの」
「連合の人では食べられない位に」
 そこまでのものだというのだ。 
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