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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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第二部~雅、結婚騒動~
  第34話『すれ違う二人』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「随分すごい見た目だな!こっちもやり甲斐があるぜ!」
「流夜は、独学で闇風を学び、それを人に危害を加えない形に作りかえた。すなわち、無殺の闇風は闇風ではなく立派な凪風。だから、それを未来に繋げてほしい。」
「久しぶりだな、装填の守護者。」
「わかりました。どうやら貴方には預けても安心ですね。」
「それじゃあ、撮るぞ。」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心はなにを思う─

「どうしたの、フェイトちゃん?」
「なのは、最近雅がよそよそしいの。」
雅とフェイトが結婚して一週間が経つ頃、フェイトはなのはに相談していた。
「なんや?早くも倦怠期ってやつなんか?」
「はやては羨ましいよ。もう平和な家庭を持っているなんて。」
「フェイトちゃん、シグナム達は確かに家族やけど、意味はちゃうよ。」
「そうだよね。変なことを言ってごめんね、はやて。」
「フェイトちゃん、私達だけだと出来ることに限界があるから、もっといろんな人に聞いてみたら?」
なのははフェイトに提案する。
「そうだね。ありがとう、なのは。」
フェイトはなのはに礼を言って出て行く。
「フェイトちゃん、上手くいくといいね。」
「せやな、なのはちゃん。」
出て行くフェイトをなのはとはやては笑顔で見ていた。

「─というわけなんだ。ウラタロス、どうしたらいいか教えてほしい。」
その頃、雅もウラタロスに相談していた。
「そう言われてもねぇ、そういう問題は夫婦間の問題だから、僕の範囲外なんだけど?」
「それは承知のことだけど、女性との向き合い方は、ウラタロスが一番詳しいと思って相談しているんだ。」
「国家象徴は何も解っていないみたいだね。」
「何がですか?」
「人っていうのは教科書じゃないんですよ。心があって、意見がある。簡単に解決しようとしても、かえってこじれるだけ。国家象徴は、もっと心に素直になった方がいいんじゃない?」
「心に…素直…」
「そっ。僕から言えることはこれくらいかな。もし結果が出なかったら、僕がフェイトちゃんを釣っちゃおうかな。」
ウラタロスは冗談を言う。
「そんなことは絶対にさせない!」
雅はむきになる。
「やれば出来るじゃん。その調子だよ。頑張りな。」
ウラタロスは雅を励ます。
「ありがとうウラタロス。」
雅は一言言って出て行く。

「それで、鍵さんはどうやってみなさんと上手くやっているの?」
フェイトは杉崎達と会っていた。次元保護国には重婚は禁止という法律は無く、杉崎は碧陽学園生徒会のメンバー全員と結婚している。
「そりゃあもちろん、俺がハーレムのトップとしてみんなを…って深夏!いきなりソバットキックをかますな!」
「そりゃあ放つに決まっているだろ!いきなり変なことを言えば!まったく、鍵は何時まで経っても進歩がないな。」
「あら?そういう深夏ちゃんもキー君にそういう態度をとる所、全然変わっていないわよ?」
「うっ…知弦さん、それは…」
「あーもー!とにかく杉崎…じゃなかった。鍵はみんなにちゃんと謝ること!会長命令!」
「会長さんはもう、生徒会長じゃないでしょ?」
「真冬ちゃんは少し黙っていて。話がややこしくなるから。」
「どうせ真冬なんて、オタク知識だけが取り柄の腐女子系薄幸美少女です…」
「真冬ちゃん、さすがに23で美少女は無理があるよ…」
「先輩、少し、頭冷やそうか?」
「やめて真冬ちゃん!なんか怖い桜色の光を放つ悪魔が見えるから!俺が悪かった!調子にノってすみません!」
杉崎は怯えながら謝る。
「みなさんは、普段からこんな感じなのですか?」
「そうね。みんなキー君を目いっぱい愛しているから全力でぶつかれるし、全力で笑い合えるの。」
フェイトの質問に知弦は答える。
「全力でぶつかれる…杉崎さん、ありがとうございます。私、もう少しいろいろな人の意見を聞いてみます。」
フェイトは頭を下げる。
「えっ!?もう帰っちゃうの?なんだったらフェイトちゃんも、俺のハーレムの一員にならないか?」
「おい鍵、いい加減にしろ!フェイト、鍵はあたしらで抑えておく。早く逃げろ!」
「あ、ありがとう深夏さん。」
フェイトは、杉崎を羽交い締めにしている深夏に礼を言って出て行く。

「あっ!雅国家象徴、お久しぶりです!」
かなみは雅に挨拶をする。
「けっ、なんの用だよ雅。」
カズマはぶっきらぼうに言う。
「今日はかなみさんに用事がありまして。」
「じゃああがってろ。俺は朝倉と会う約束がある。」
「カズ君、あんまり変な付き合いは持っちゃダメだよ?」
「解ってるよ。じゃあな!」
「もう!『じゃあな』じゃなくて、『行ってきます』でしょ!」
「悪い悪い。行ってきます。」
カズマは嫌そうに言いながら出て行く。
「随分大変そうですね。」
「あれでも、かなり丸くなった方ですよ。」
「そうですか。かなみさんには、まだ謝っていませんでした。6年前のこと、あの時、かなみさんのアルター能力を利用して、あのようなことをしてしまい、申し訳ありませんでした。」
雅は頭を下げる。
「雅国家象徴、頭を下げないでください。雅国家象徴が、私達のために一生懸命だったのはわかっていますから。それに…」
「それに?」
「あの時のこと、いろいろと参考にしてますから。もう少し経ったら、カズ君にしてあげようかなって。」
「それは、何か悪いことをしてしまったみたいで申し訳ありません。それで、かなみさんに相談があるのです。」
「私に相談ですか?」
「はい。実は─」
雅はかなみに悩みを打ち明ける。
「なるほど…よくわかりました。でも、それを言う相手は私じゃなくて、フェイトさんじゃないですか?」
「それができないから悩んでいるんです。もしそれを言って、フェイトを傷付けたらどうしようと思うと…」
「雅国家象徴、人は知らず知らずのうちに誰かを傷付けていると思います。それは、私も知らないうちにカズ君のことを傷付けているみたいに。でも、それが人して生きていることだと、私は思います。それに、そのことで悩むほど、フェイトさんは弱くないと思います。」
かなみは、自分の意見を雅に話す。
「…そうですね。かなみさん、ありがとうございます。」
雅は礼を言って出て行く。
「また何時でもいらしてくださいね!」
かなみは手を振りながら言った。

「俺に相談って言われても、相談料は高いよ?」
「あの、今日は弁護の件で来たわけではありません。」
「えっ、そうなの?ゴロちゃん、お客さんにちゃんとお茶を出してよ。」
「はい、先生。」
フェイトは北岡弁護士事務所に来ていた。
「それで、弁護の件以外で相談って何よ。」
「雅のことなんだけど…」
「ああ~、それね。ウラタロスから話はちょろっと聞いてはいたけど。うちはそういうのは専門外だから、他を当たって。俺もこれから玲子さんとデートなの。今日こそは絶対に堕としたいの。がきんちょのおままごとに付き合っていられないから。用が済んだら帰ってちょうだい。」
「…わかりました。お忙しい中、失礼しました。」
フェイトはそのまま立ち去る。

「ウラタロスから聞いてるぞ。そんなことで悩むなよ。らしくないぞ。」
「どうしたの、真司?って、雅国家象徴が来ていたなら言いなさいよ。」
雅は真司に相談にいっていた。真司は先月美穂と結婚した新婚夫婦である。同じ状況なら相談しやすいと雅は考えていた。
「なるほどね。国家象徴は女心が解っていないわね。」
「ってか、人んちで勝手にノロケんな!」
「いいじゃない、真司。それより、そんな風に避けていることが、一番フェイトちゃんを傷付けているって、まだわからないの?」
美穂ははっきりと言う。
「やっぱり、自分の気持ちを伝えないといけないか。ありがとうございます、おかげで何をするべきかわかりました。」
雅は礼を言って出て行く。

「なんだ、フェイトか。あがっていいぞ。」
フェイトは津田家に行くと、シノが招き入れる。
「タカトシ、客が来たぞ。」
「どうしたんですか…ってフェイトさんがどうして?」
津田は驚く。
「その、タカトシさんとスズさんに相談がありまして。」
「その相談って、もしかして杉崎一家にしたのと同じ?」
フェイトの言葉にスズは質問で返す。
「えっ、どうしてそれを?」
「フェイトだけじゃなくて雅国家象徴もいろんな人に相談しているみたいだから、もう既に結構有名よ?」
「雅も、やっぱり何か隠し事をしているんだ…」
フェイトは深刻な表情を見せる。
「ん、なんだ?子宝に恵まれる方法か?それなら…」
「七条さん、会長を黙らせておいてください。」
「とりあえず、亀甲縛りに猿轡でいいかしら?」
「普段なら引っぱたいているかもしれませんが、今はそれでいいです。」
「ツッコミ放棄だと!?」
「萩村、さすがに真剣に悩んでいるんだから真面目に聞かないと。」
事情をまったく知らないシノはいつも通りの反応をするが、津田の頼みを聞いたアリアがシノを連れ出す。
「やっぱり、そういうのはちゃんと聞かないといけないと思う。もしそれでも話してくれないなら、それは言いたくないことだと思って、言える日が来るまで待つしかないんじゃないか?」
「なるほど…ありがとうございます。」
フェイトは津田家から出て行き、雅を探しはじめる。

「きちんと話す、か…」
雅は歩いている。すると、
「ちっ、どいつもこいつもあいつばっかり褒めやがって、ちょっと財閥の令嬢として生まれたからって、いい気になりやがって!」
一人の少女が飲んでいた缶をゴミ箱に投げ捨てると恨み言を言う。すると、
「くそっ…たれが!」
少女はゴミ箱を蹴り飛ばし、缶が散乱する。
「君、何をしているんだ!」
缶が当たった雅は少女に言う。
「うるせえ、どうせお前もあいつに媚びへつらうんだろ?あいつの財閥と繋がりを持つために!」
少女は雅のことを一切知らないようで、喧嘩腰で話す。そして、
「だけど、こいつがあれば…あいつはもう終わりだ!」
〔セレクト!〕
少女はガイアメモリを取り出す。
「あれは、ガイアメモリ!?」
少女はガイアメモリを髪で隠れた首に挿して、セレクトドーパントに変身する。
「ドーパントが相手か。」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
雅はディロードに変身し、セレクトドーパントと戦闘を始める。
「なんだよ、お前仮面ライダーだったんかよ!」
セレクトドーパントは左右から氷の弾を放つ。
「これなら!」
ディロードはロードスラスターで弾を破壊する。すると、散らばった破片はディロードの脚に纏わり付き、ディロードの脚を凍らせる。
「何っ!?」
ディロードは敵の能力に驚きを隠せずにいた。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード最終回
「お前達が犯人か。」
「雅、教えて?」
「ずっと、怖かったんだ。」
「はじめよう、私と雅の、本気の真剣勝負。」
「これからは、悩みを抱え込まない。」
次回『新たな種』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
オリジナル怪人紹介
セレクトドーパント
身長:182cm
体重:95kg
能力、力:対象の選択肢によって効果が変わる氷の弾
ある読者モデルの少女が選ぶ記憶〈select memory〉を首に挿して変身した姿。ライバルに対する深い嫉妬心によって変異した能力は、氷の弾を相手がどう対応するかで、結果が変わる選択肢をより増やす力に変わった。 
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