八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百七十三話 秋田への思い入れその八
「もうどれだけ身体のエネルギーを引き出しているか」
「身体を燃やす様なものね」
「そんなのだから」
「手を出したら」
「駄目に決まってるわね」
「一週間寝ないでいたらそれだけで相当身体に悪いよ」
一にでもかなりの負担なのにだ。
「そしてそこまでの身体のエネルギーを引き出すものをいつも打っていたら」
「身体も心もね」
「とんでもない勢いでボロボロになっていくよ」
「廃人一直線ね」
「何か物凄い喉が渇くっていうけれど」
覚醒剤を使用する人の特徴の一つらしい、それで水分を異常に摂取して傍目から見ても異様だという。
「それだけね」
「身体がエネルギー燃やしてるのね」
「そんなの本当に」
「身体に物凄く悪いわね」
「絶対にやったら長生き出来ないよ」
「煙草も寿命縮めるっていうし」
「あれもね」
あのプロ野球選手は煙草も吸っていたらしい、もうスポーツ選手かと思える位の不健康な生活だったことがわかる。
「よくないよ」
「実際にね」
「煙草は覚醒剤より遥かにましだけれど」
このことは事実だ、ただし身体に悪いことは事実だ。
「その煙草でもそう言われてるし」
「覚醒剤は」
「比較にならないから」
「手を出したら長生き出来ないわね」
「間違いなくね」
「じゃああの人は」
「六十まで生きられるかな」
もう五十代だけれどだ。
「わからないよ」
「馬鹿な話ね」
「本当にね」
「お母さんも若かったけれど」
「病気だよね」
「っていうか急死だったのよ」
僕にそのお母さんの死んだ時のことを話してくれた。
「お母さんは」
「そうだったんだ」
「若年性の脳梗塞だったみたい」
「若くしてなんだ」
「何でも若くてもね」
それでもというのだ。
「脳梗塞ってなるらしいのよ」
「過労とかで」
「水分もあまり摂ってないとね」
「ああ、脳梗塞には水分が大事だったね」
「それもないとね」
それならというのだ。
「もうね」
「簡単になるんだ」
「そう、それでね」
そのうえでというのだ。
「お母さん夏の忙しい時にずっと働いていて水分もね」
「あまり摂ってなくて」
「その時たまたま食生活もお肉とか脂ものが多くてお酒もお付き合いで多くて」
「悪いことが重なって」
「それでだったみたいなの」
「そうだったんだ」
僕は苦い顔になって応えた。
「何ていうか」
「運がなかったわね」
「夏忙しくて」
「もう連日連夜患者さんが病院に来て」
「それでだね」
「お母さんどうも昔からね」
詩織さんは難しい顔で僕に話した。
「お水あまり飲まなかったらしいのよ」
「そうだったんだ」
「水分自体をね」
「水分は摂った方がいいのにね」
身体の為にだ。
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