八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百七十三話 秋田への思い入れその一
第二百七十三話 秋田への思い入れ
詩織さんは秋田米を使った天丼を僕に食べつつ話してくれた、そーきそばを食べ終えた僕はタコライスをゴーヤチャンプルと一緒に食べて時折ミミガーも食べている。
「秋田って寒いでしょ」
「雪多いしね」
「今の季節もね」
「そうだよね」
「そうだよねって」
ここで詩織さんは眉を動かして僕に言ってきた。
「義和秋田に行ったことあるの」
「あっ、聞いたんだ」
昨日のことを隠して詩織さんに答えた。
「そうね」
「そうなの」
「うん、親父からね」
「義和のお父さんってあの」
「そう、物凄く女好きでね」
「お酒が好きで」
「とんでもない遊び人なんだ」
このことは正直に話した。
「それで親父がね」
「秋田に行ったことがあるの」
「そう、だからね」
「お父さんから聞いて」
「今言ったんだ」
やはり昨日のことは隠して話した。
「そうね」
「そうだったの」
「実際にだよね」
「そう、本当にね」
あらためて僕に話してくれた。
「秋田はね」
「雪が多くて」
「もう今の時期から」
それこそというのだ。
「メートル単位で積もって」
「寒いんだね」
「凄くね、けれど冬になるまでに」
「お米をだね」
「作ってるのよ」
「それが秋田米だね」
「秋田は寒いけれどかえってね」
その天丼を食べつつさらに話した。
「秋田のお米を作ってくれるの」
「そうなんだね」
「そう思ってるわ」
詩織さんとしてはというのだ。
「私はね」
「そうなんだ」
「それでその秋田のお米は実際にでしょ」
「うん、美味しいね」
秋田米を使っているタコライスを食べつつ答えた。
「これは」
「また別格よ、うちもお祖父ちゃんのお家は農家なの」
「そうだったんだ」
「それでお母さんは看護士さんで」
「ああ、そのことは前にも言ってたね」
僕もこのことを思い出した。
「そうだったね」
「ええ、それでお父さんと知り合ってね」
「詩織さんがね」
「そうだったのよ。素敵なお父さんだって言ってたわ」
「そうだったんだ」
「それで農家はね」
詩織さんはここでお話を戻してきた、けれどこの『お父さん』というのが本当に後でとんでもないことになるとは本当にこの時も思っていなかった。
そして今は詩織さんはさらに話した。
「米農家で」
「その秋田米をなんだ」
「沢山作っていて」
それでというのだ。
「それで生計立ててるの」
「そうなんだ」
「普通にね」
詩織さんは笑ってこうも言った。
ページ上へ戻る