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白い女の子

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第二章

「俺達って皆髪黒くて肌黄色いけれどな」
「目は黒くてな」
「まあ髪の毛脱色したり染めてる奴いるけどな」
「俺達アジア系だしな」
「色素あるからな」
 身体の中にというのだ。
「髪の毛や目は黒くて」
「肌は黄色くて」
「そうした外見だよな」
「俺達は」
「ああ、しかしな」
 それでもとだ、また言った池山だった。
「アルビノの子がいるって聞いていても」
「実際にそうした子がいるのはか」
「はじめてか」
「そう言うんだな」
「一体どんな娘かな」
 池山は先程までとはうって変わって真剣な顔で述べた。
「会ってな」
「そうしてか」
「その目で確かめたいか」
「そう言うんだな」
「ああ」
 実際にというのだ。
「そうしたいな」
「そうなんだな」
「じゃあ今度八条神社に行くか?」
「そっちに」
「そうするか、そういえば神社ってな」
 ここで池山はこんなことを言った。
「白狐とか白蛇とか祀ってたりするな」
「白鹿とか白犬とかな」
「白い生きもの祀るよな」
「神様の使いとか言って」
「あと白猿とかな」
「そういうのか?人で白いってな」
 それはとだ、池山は友人達にさらに話した。
「要するにそれだろ」
「白蛇とかと一緒か」
「色素がないっていうから」
「そうなるか」
「ああ、白人の人だってな」
 自分達が通っている八条学園は世界中から人が集まっているので白人も多い、その彼等のことからも話した。
「色が白くて金髪なのはな」
「あれも色素の関係でな」
「色素が薄いからな」
「それで髪の毛が金髪でな」
「肌も白いんだよな」
「兎だって色素がないからな」
 今度はよくいる白い兎の話をした。
「目が赤いんだよな」
「そうそう」
「それでアジア系でもな」
「色素がないとそうなるんだよな」
「そうした外見に」
「そうした娘か、それで神聖だって思われるから」 
 それでとだ、池山はこうも話した。
「神社の巫女さんに雇われたのかね」
「それはわからないけれどな」
「けれど今八条神社にいるかもな」
「そうかも知れないな」
「だよな、まあ実際に神社に行ってみるか」
 実際に会って確かめようと思ってだ、それでだった。
 池山は実際に暇な時に八条神社に行ってみた、部活をしているので中々時間がなくてそうした時を見付けてとなった。
 それで神社に行ってみるとだった。
 巫女達の姿は見るがそうした娘は見掛けなかった、それで彼は巫女の一人である自分と同じ位の年齢の黒髪をショートにした娘に尋ねた。
「あの、ここにだけれど」
「何でしょうか」
「金髪で肌の白い娘がいるって聞いたけれど」
「目の赤いですか」
「そうそう、アジア系で」
「文並さんですか」
「それがその娘の名前ですか」
「はい、文並麗さんといいまして」
 その巫女は彼女の名前も話した。 
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