八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百七十一話 元の生活に戻ってその三
「これがいいのよ」
「こしひかりってわかるんだ」
「わかるっていうか」
若しくはというのだ。
「小野さんが教えてくれたの」
「はい、八条荘のジャポニカ米はこしひかりです」
小野さんが答えてくれた。
「今は」
「それでテレサさんも知っていて」
「そう、それだって言えたの」
テレサさんは二杯目のご飯に納豆をかけつつ僕に話してくれた。
「ちゃんとね」
「そうだったんだ」
「一応ジャポニカ米なのはわかってたけれど」
「お米の味でだね」
「普通のお米って違うから」
「普通?ああ、インディカ米だね」
僕はすぐに察して言った、世界的にはこちらのお米の方が主流だからだ。実はジャポニカ米は日本か日本が米作を伝えた地域以外にはあまりない。
「あのお米はね」
「納豆に合わないでしょ」
「そうだね」
「だからね」
それでというのだ。
「私もね」
「今みたいに言ったんだ」
「そうよ、私ご飯も好きで」
「こうした献立の時は」
「このお米よ」
ジャポニカ米だというのだ。
「あと丼ものとかお握りとかお寿司にもね」
「ああ、お握りとかお寿司はね」
「このお米でしょ」
「ちょっとインディカ米だとね」
どうしてもだ。
「無理があるね」
「そうよね」
「何かね」
そのインディカ米で知られるタイ出身のラブポーンさんが言ってきた。
「和食ってタイのお米がね」
「合わないよね」
「我が国のお米ってね」
まさにとだ、ラブポーンさんは梅干しを食べつつ僕に言ってきた。
「もう世界に輸出していて」
「その味が知られてるね」
「美味しいってね」
「アジアの米櫃って言われてる位だしね」
「物凄く美味しくて」
それでだ。
「評判だけれど」
「和食にはね」
「合わないのよね」
「お米はお米でもね」
それでもだ。
「お握りとかお寿司には」
「そして納豆にも」
「どうしてもね」
「そうなのよね」
「カレーとか炒飯には向いてるけれど」
インディカ米はこちらにはかなり合う、ガパオライスやパエリアにも合う。それにリゾットにしてもいい。
「けれどね」
「お握りとかお寿司に合わないから」
「和食にはね」
「そうなるわね」
「うん、それで外国の人が日本のお米食べたら」
そのジャポニカ米をだ。
「まずいって言われたりね」
「するのよね」
「日本人がタイ米合わないって言うのと一緒でね」
「そうよね、ただね」
ここでラブポーンさんはこんなことを言った。
「ある料理漫画で読んだけれど」
「そのタイ米で」
「私日本の人達がタイ米合わないって言っても」
それでもというのだ。
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