ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)
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フレイム・スタッガー
火山エリア
エックスと本部で別れたビートブードは、ただ一人イレギュラーが潜伏していると思われるエリアへと向かっていた。
「・・・・・・暑い。火山だからしょうがないと思っていても熱い。」
ビートブードは、体の冷却機能を全開にして火山帯の空洞エリアを通り抜ける。このエリアは、活火山の熱をエネルギー発電に利用できるように改造が施されているが所々からマグマが吹き上がるところがあるため人間がここに来ることはまずない。しかし、レプリロイドでも対応した装備をしてこなければマグマに呑まれ、ボディを溶かされてしまう。
「うわぁ・・・・またマグマだ・・・・・」
ビートブードは、迫り来るマグマを飛行しながら避けていく。イレギュラーハンターに所属しているレプリロイドはある程度の過酷な環境には耐えられるが現場に完全に適応したものとは違い、長時間は持たない。彼は急いで、目的地を目指して行った。
火山エリア 最深部 コントロールシステム
ビートブードは、炎が噴き出す崖を越えるとやっと最深部へと到着した。
「誰もいない・・・・・・報告では確か・・・・・おっと、その前にこの火山のコントロールを止めないと。ほっといたら火山が噴火してその火山灰が太陽を遮っちゃって太陽発電がストップしてしまう。今の電力エネルギーって大半が太陽光発電とかに切り替えられているからな・・・・・」
ビートブードは、コントロールパネルを見つけると早速操作しようとするが・・・・・
「グウオォォラアァァア!!!勝手にそのパネルを操作するんじゃねえぇえ!!」
「ひっ!?」
上からの怒声に思わずビートブードは、思わず引き下がる。声の主は上から壁から壁へと飛び降り、ビートブードの目の前に着陸する。
「あぁ?どこのだれかと思ったらエックスじゃなくて“弱虫ビートブード”じゃねえか!」
「ふ、フレイム・スタッガー・・・・・・・・」
目の前に現れた鹿型レプリロイドを目の前にしてビートブードは言う。
「懐かしいなぁ・・・・・・・最後に会ったのはシグマ隊長が反乱を起こす少し前か?てめえはあの反乱で処分されなかったようだが兄貴のクワンガーは処分されちまってショックか?」
スタッガーは、意地悪そうな顔をしながら腕を組んでビートブードを見る。
「ち、違う・・・・・・・・兄貴はVAVAに殺されたんだ・・・・・・・」
「けっ、まあいい。ここに一人で乗り込んできたってことは死ぬ覚悟できたんだろうな?」
スタッガーは、挑発するかのように角の炎を一瞬大きくした。ビートブードは、オロオロしながらもスタッガーと対峙する。
「ス、スタッガー・・・・お、お前には・・・・前回の反乱に加わったことと・・・・・今回のイレギュラー的行いでイレギュラー認定されている。お、大人しく・・・投降しろ!!」
「はぁ?何言っているか聞こえねえな?」
スタッガーはワザとらしく聞こえない振りをする。
「投降しろって言っているんだ!」
「なにぃ?聞こえんな?登校しろだって?」
「ふざけるな!!降伏しろと言っているんだ!!」
ビートブードは思わず叫ぶがスタッガーは、その瞬間高速で彼の目の前に迫り顔面を殴り飛ばした。
「ぐっ!?」
「あぁ?誰に向かって口きいているんだ?“弱虫”がよ!!」
スタッガーは、追撃で火炎を拳に纏わせて彼の腹に連続で殴りつける。ビートブードは、膝をつく。
「ぐう・・・・・・」
「それにスタッガー?“スタッガーさん”って呼べよ!!昔みたいにな!!この図体だけがデカいカブトムシが!!」
スタッガーは、ビートブードを蹴り飛ばすとその頭を踏みつけて言う。
「う、うぅ・・・・・・」
「あ~こうしていると本当にハンターだった頃のことを思い出すな。あの時もお前は俺にやられていていっつもその場に駆け付けたクワンガーに助けてもらってたもんだよなぁ!!」
「があぁ!!」
「所詮てめえはクワンガーがいなけりゃ何にもできねえ弱虫だ!!」
「ブッ!!」
「てめえの兄貴もがっかりだろうな!!優秀な自分が死んで、こんな不出来な弟が生きているんじゃあなぁ!!」
「グウウ!!」
「ハッハハハハハハハハハ!!!オラ、どうした?昔みたいに言ってみろよ!!『助けて兄さん』ってよ!!ヒャッハハハハハハハハ!!!」
スタッガーは、笑いながらビートブードを蹴りまくる。ビートブードはボロボロになりながらその場で倒れる。
「あ~あ~面白かった。さて、弱虫には次の獲物が来る時の人質となってもらおうかねぇ~」
「ひ・・・・・・・人質?」
「・・・エックスの奴さ。あの野郎、今はシグマ隊長に代わって隊長になっているんだろ?昔から糞ムカつく野郎だったからな。俺が新人をいじめていたらやめろって止めに来てよ・・・・・少し痛めつけてやろうと思ったらあいつの早撃ちで負けて大恥をかかされて・・・・・・・・あの時の屈辱と言ったら忘れるにも忘れられねえ!!だから、奴を徹底的にぶちのめすために俺はある奴から強化改造をしてもらった!!今度は負けねえ!!キシシシッ!!今度こそ絶対に奴をバラバラにして溶かしてやるぜ!!!」
スタッガーは、狂ったような笑いをしながら叫ぶ。
(あ・・・・兄貴・・・・・・やっぱり怖えよ・・・・・・)
シグマの反乱前
エックス入隊以前のハンターベース
「オラ!」
「ガアァ!!」
スタッガーは、夕方ハンターベースの倉庫でビートブードを殴っていた。スタッガーが殴る原因になったのは、ビートブードの認定されたハンターランクだった。
「なんでてめえが最初っから特Aなんだ!!俺は最初A級からだったのによ!!てめえ、先に入隊していた兄貴に頼み込んで裏工作してもらっただろ!!」
「ち・・・・・・違う・・・・・・僕はそんなことはしてない・・・・」
「嘘つきな新入りはどんな目に遭うかわからせなきゃならねえな!!白状しねえならまずはその自慢の角が折れるまで殴ってやるぜ!!」
「うっ、うぅ・・・・・・・」
右腕に炎を纏わせながら脅すスタッガーを目の前にビートブードは、震えあがる。
「おやめなさい二人とも。」
そこへ聞いていたのかクワンガーが入ってきた。
「く、クワンガー!?」
「に、兄さん・・・・・・・・」
「全くスタッガー、貴方という者が・・・・・・入隊したばかりのハンターに暴行を加えるとは・・・・・これは問題行為ですよ。」
「くっ!」
スタッガーは、ビートブードを離すとその場から逃げるように走り去っていった。クワンガーは、ビートブードの方を見ると彼は体育座りをしながら泣いていた。
「う、うぅう・・・・・・」
「ふう・・・・また泣いているのですか?」
「兄さん・・・・・」
ビートブードは、泣きながらクワンガーに抱き着く。
「およしなさい。人間の子供ではないんですから。」
「兄さん・・・・・僕は・・・・・・僕は・・・・・人間を守るために作られたからイレギュラーハンターに入ったのに・・・・・・なんでこんな目に・・・・・」
「スタッガーは、結構な問題児ですからね。彼どころかこの部隊にはVAVAといい、問題児はいくらでもいるんですよ。」
「こ・・・・・こんな目に合うんだったらガルマ隊長の第二部隊に入ればよかったよ・・・・・・・ガルマ隊長面倒見がいいし・・・・・・」
「・・・・・・なら、変えますか?」
「えっ?」
クワンガーの一言でビートブードは、目を丸くした。
「シグマ隊長にあなたの配属先を17部隊から2部隊に転属してもらうよう申請します。」
「え、えっ!?ちょっ、ちょっと待ってよ!!」
その場から去ろうとするクワンガーをビートブードは慌てて止める。
「なんですか?」
「ぼ、僕はそれでいいけど兄さんは一体どうするのさ!?」
「私はこのまま17部隊に残りますよ。別に何の問題もありませんから。」
「い、いやだ!!兄さんも一緒に別部隊に行こうよ~!僕一人なんて嫌だよ~!!」
「では諦めて17部隊に残るしかありませんね。」
「うぅ・・・・・・・・・・」
クワンガーに言われてビートブードは、何も言えなくなってしまう。
「ビートブード、貴方もイレギュラーハンターになったのならいつまでも弱虫ではイレギュラーにすら舐められますよ。もう少し自信を持てるような異名がなければ・・・・・・・そうですね・・・・・・」
「い、異名?」
「特A級ハンターの中には異名を持つものが多いのです。イーグリードは“天空の貴公子”、マンドリラーは“豪速拳の雷王”、そして私も“時空の斬鉄鬼”という異名を持っています。」
「で、でも・・・・・俺、弱虫だから・・・・・・・」
「“弱虫のビートブード”ではシャレになりませんからね。・・・・・・・・あなたの形状から考えると『鋼鉄』というワードを入れたほうがいいですね。後は・・・・・・・」
「兄さん・・・・・・スタッガーさんにも異名があるの?」
「彼にそんな言い方をしていたのですか?だから、舐められているんですよ。彼は、“ヒートナックルチャンピオン”。その名の通り格闘戦が得意ですからね。」
「・・・・・・・いつか超えたいな・・・・・・」
「超えるですか・・・・・・・なら『リベンジ』、リベンジャーと合わせて“鋼鉄のリベンジャー”というのはどうでしょうか?いつか彼を超えるハンターになるという意気込みにはピッタリでしょう。」
「鋼鉄のリベンジャーか・・・・・・うん。なんか強くなれそうな気がするよ。」
「なら今日からあなたは、“鋼鉄のリベンジャー”グラビティー・ビートブードとして頑張りなさい。今までの弱虫ビートブードを超えて。」
「うん!わかったよ兄さん・・・・・・じゃなくて兄貴!!」
ビートブードは、腕で涙を拭いながら言う。
「よおし!今日から僕・・・・・いや!俺は『特A級ハンター 鋼鉄のリベンジャー グラビティー・ビートブード』だ!!がんばるぞ!!」
「・・・・・その意気なら問題はなさそうですね。」
クワンガーは安心したような顔で後ろから彼を見ていた。
現在
「・・・・・・兄貴・・・・・」
「まっ、エックスをなぶり殺しにした後はてめえも一緒に始末してやるからな!よかったな!バカなクワンガーと一緒なれてな!」
「ば、バカっ!?」
スタッガーの一言にビートブードは、反応する。
「あっ?聞こえなかったか?『バカ』って言ってやったんだよ。エックス如きにやられてよ~、ゼロやシグマ隊長に殺されたんならまだしもおまけにVAVAの不意打ちで死んだってな・・・・・くっ、くっくっくっ・・・・・・こんなバカげたことがあるか?まあ、あの頑固頭にはピッタシだな!ナッハッハハハハ!!」
スタッガーは、ビートブードを踏みつけながら大笑いする。
「ハッハハハッハハハハハハ!!フッハハハハハハハ!!」
「・・・・・・・・・取り消せ。」
「ハッハハハハ・・・・・ハッ?今なんて言ったんだ?聞こえねえぞ?ハッハハハ・・・・」
「兄貴に対して言ったことを取り消せ!!」
「ぬっ!?」
突然体を起こしたビートブードによってスタッガーは転ぶ。
「痛てえな・・・・・・なにしやがんだ!!この・・・・・・うっ!?」
スタッガーは、ビートブードに文句を言おうとしたが目の前にいるビートブードの顔を見てギョッとする。
「俺のことは何でも言ってもいい・・・・・でも・・・・・兄貴は・・・・・・死んだ兄貴のことを言うのは許さねえ!!」
「うっ・・・・・・・(な、なんなんだコイツ!?さっきまでは何ともなかったのになんかすげえヤバイスイッチ入っちまったような気がする・・・・・・こいつ、本当にあの弱虫だよな!?)」
「兄貴のことを取り消せ・・・・・・・兄貴のことを悪く言うのは俺が許さねえ・・・・」
ビートブードは、鋭い眼差しでスタッガーに近づいてくる。
「くっ!調子に乗るなよ!!弱虫が!!これでも喰らえ!!ラッシングバーナー!!」
スタッガーは、自分の両拳に炎を纏わせ、ビートブードに向かって飛ばす。ビートブードが立っていた場所はたちまち炎に包まれる。
「ハッ・・・・ハッハッハ・・・・・ざまあねえな!!誰がてめえの言う事なんか聞くかよ!!」
炎の向こうからは何も聞こえない。始末したのだとスタッガーは安心した。
「フッ、どうやらくたばったようだな。さてと・・・とっととお仕事に・・・・・・」
「やっぱりお前はどうしようもないイレギュラーだな。」
「!?」
炎の中からビートブードの声が聞こえて思わずスタッガーは、振り向く。
炎が中心へと吸い込まれている。少しすると炎は完全に消え、ビートブードの姿が現れた。
「バ・・・・・バカな!?・・・・・いや、待てよ?そう言えば奴には・・・・・・・小型ブラックホール・・・」
「イレギュラー フレイム・スタッガー!!お前は、このイレギュラーハンター グラビティー・ビートブードが処分する!!」
ビートブードは、バーニアを吹かしてスタッガーに突進する。いつもなら避ける事ができたスタッガーだがこの時ばかりは足が震えて避ける事ができず、そのまま壁に激突する。
「ブベッ!?」
身体の一部が破損したのかスタッガーは跪く。ビートブードは、冷徹な眼差しで彼を見る。
「うっ!?」
「お前は俺どころか死んだ兄貴にまで罵声を浴びせた。・・・・・・もう投降意思も何も関係ない。ここで処分する。」
「まっ、待ってくれよ!?」
スタッガーは、正座をしてビートブードの前に命乞いをし始める。
「お、俺が悪かった!!許してくれ!!なっ!お、お前の兄貴にも悪口言ってな!?お前のこといじめたのも反省するって!これからは改心して人間のために働くからさ!!ねっ?ねっ?」
スタッガーは土下座をして言う。
「・・・・・・・ダメだ。お前は、俺たち兄弟は愚か無関係なレプリロイドまで破壊した。そんな嘘にはだまされない。」
「・・・・・・・・・・・・くっ。・・・・・・だったら・・・・・・・・だったらてめえをここで道連れにしてやる!!」
スタッガーは頭部の火炎を最大出力にしてビートブードに飛び掛かろうとする。
「こいつは元々エックスを抹殺するために組み込んだパワー増幅器で得た力だ!!俺自身にも負担が半端ねえがてめえに殺されるぐらいならこれで・・・・・・・」
その時、スタッガーの首に何かが当たった。するとスタッガーの頭部はズルリと落ちてボディも力を失って倒れた。
「・・・・・・・えっ?お、俺の・・・・体?い、一体どうなってんのこれ?」
目の前にいるビートブードを見ると右腕がバスターに変形しており、何かブーメランのようなものが彼の元へ戻ってきた。
「く、クワンガーのブーメランカッター・・・・・・・・」
「・・・・・・・あの反乱が終わった後、エックス隊長が返してくれた兄貴のDNA端末と武器をケイン博士に頼んで組み込んでもらったんだ。仕様上、一回の戦闘であまり多用できないけど。」
「い、いや~すごいね~ビートブード君!!いや、驚いちゃったよ、マジで!!それならどんなイレギュラーにも対処できるね~!!いや~アッハッハッハッハッハッハ・・・・・・・」
目の前に迫るビートブードに首だけになってしまったスタッガーは、何とか誤魔化そうと笑う。
「・・・・・・・お前に褒められても嬉しくないよ。」
「ハッ、ハッハッハッハ・・・・・・・」
ビートブードの足がスタッガーの頭を踏みつけようとする。
「ちくしょうおぉぉぉぉぉぉ!!!こんな・・・・・こんな弱虫に殺されるなんてぇぇぇぇぇえ!!!クッソタッレエェェェェェ!!!!」
グシャ
ビートブードの足はスタッガーの頭部を完全に踏み潰した。
「俺はもう弱虫じゃない。」
ビートブードは、スタッガーのボディからDNA端末を取り出すとゆっくりと歩き去っていく。
「俺は、鋼鉄・・・・・・・鋼鉄のリベンジャー、グラビティー・ビートブードだ。」
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