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八条学園騒動記

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第五百六十五話 歌劇も観てその三

「人間にしても」
「人間の悪の面が出過ぎかな」
「三人共ね、けれどね」
「フォルスタッフ卿については」
「あれでね」
「悪人じゃないね」
「うん、極悪非道じゃないね」
「それは違うね」
 マルティもその通りだと頷く。
「あのキャラは」
「悪人かも知れないけれど」
 それでもというのだ。
「憎めなくて」
「人間的で」
 それでというのだ。
「嫌味じゃないから」
「いいんだよね」
「屑でもないしね」
「そう、人間の屑かっていうと」
 菅もこう言う。
「違うね」
「何処か品性もあって」
 それでというのだ。
「騎士らしく」
「いいんだよね」
「どうもね」
「そうだよね」
 こう話した。
「下品かっていうと」
「何処かね」
「品性もあって」
「そうした気配はないね」
「仮にも騎士だし」
「騎士っていうと」
 マルティは騎士に対する連合のイメージを話した。
「偉そうにしていて時代錯誤の」
「ドン=キホーテかな」
「そんなイメージあるけれどね」
「それはあるね」
 菅も否定しなかった。
「確かに」
「そうだよね」
「エウロパの騎士なんてね」
「階級だったね」
「下級貴族だよ」
 この立場にあたるというのだ。
「爵位のないね」
「爵位があるのは男爵までだったね」
「男爵までは領地があるよ」
 尚そのそれぞれの領地の元首となっている、言うならばエウロパは知事が爵位を持っている貴族であるのだ。
「けれど騎士はね」
「貴族であっても」
「領地を持っていないんだ」
「そうした立場だね」
「そう、本当に下級のね」
「貴族だね」
「そうした立場だよ」
 そうなっているというのだ。
「あの人達は」
「今のエウロパじゃ爵位だけのことだね」
「当時のイングランドでもそうだったかも知れないけれど」
「貴族は貴族だから」
「やっぱり実際の貴族と違って」
「お高く止まってるんじゃなくて」
 マルティはまた連合における貴族の先入観を話した、やはり連合は貴族というものが嫌いであるのだ。
「物語の貴族で」
「品性もあるね」
「日本の武士かな」
「言うなら」
「ああした感じでね」
「例え酒好きの女好きでも」
「それでも品性はあるんだ」
 フォルスタッフ、彼にはというのだ。 
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