八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百七十話 神戸に戻ってその十四
「最早です」
「嘘もですか」
「押し通せます」
「怖いお話ですね」
「テレビの普及は後でしたが」
終戦から十数年経ってからだ。
「テレビまで加わり」
「余計にですか」
「嘘が押し通せる様になりました」
「つまり権威やマスコミの情報拡散があれば」
「どういった悪質な嘘もです」
「通せますか」
「それが戦後日本でした」
そうだったというのだ。
「私は戦後今まで見てきました」
「嫌なものでしたか」
「インターネットの普及まではです」
「その嘘がですか」
「心ある人達は指摘しましたが」
「何百万部発行の新聞とですね」
「テレビの前にはです」
圧倒的な情報伝搬によってだ、そういえば毎日不況不況と言っていた報道番組の司会者は年五億貰っていた、不況だと言いながら自分はそれだけ貰っているのだからマスコミの本質がわかるというものだ。
「かき消されていました」
「酷い現実ですね」
「新聞は毎朝毎夕でテレビは点けるとです」
「本当に嘘を通せますね」
「はい、ですが」
「それでもですか」
「嘘は必ずばれます」
そうなるというのだ。
「それが世の摂理です」
「押し通してもですね」
「それは一時のことで」
「必ずそれが明らかになって」
「世に知れ渡ります」
こう僕に話してくれた。
「そしてです」
「嘘を吐いていた人達は糾弾されて」
「責任を取らされます」
「悪事を働いたからですね」
「そうです、もう大学の教授でも信じられないですね」
「すぐにネットで嘘がばれますから」
そうなるからだ。
「おかしなことを言っても」
「左様ですね」
「新聞もテレビも」
こちらもだ。
「信用を失っていますね」
「これまでの嘘がネットで拡散されて」
「そうしてです」
「発行部数がどんどん落ちて」
「視聴率もです」
「落ちる一方ですね」
「皇国も撤退しています」
そうもなっている、実際に。
「そしてです」
「もう、ですね」
「責任から逃げても」
「無理に取らされようとしていますね」
「自分の犯した悪事からは逃げられないです」
「それも世の中ですね」
「例え死んでも」
「地獄に落ちますね」
「帰国事業の関係者が天国に行けるか」
あれだけの悪事を犯しておいてだ。
「自明の理ですね」
「絶対に地獄行きですね」
「はい、彼等は無神論者かも知れないですが」
マルクス主義は宗教を否定している、このことからも多くの惨劇が生まれたことは歴史にある通りだ。
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