八条学園騒動記
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第五百六十四話 脚本その八
「それでね」
「そちらももう一度だね」
「観ていてね」
「確か歌劇部映像持ってるね」
「持ってるよ、うちの学園の歌劇部の歌劇の映像は百作品以上あって」
「凄いね」
「ファルスタッフもあるから」
この作品もというのだ。
「観たらいいよ」
「それじゃあね」
「それとね」
菅はさらに話した。
「作品としては二時間位だから」
「歌劇では普通の長さだね」
「手頃に観られるから」
「余計にいいね」
「これがワーグナーだとね」
菅はこの作曲家のことも話した。
「四時間位あるからね」
「一作が」
「ニーベルングの指輪は全上演時間十五時間」
「凄いよね、あの作品は」
「四日かけて上演するから」
それがニーベルングの指輪という作品なのだ。
「そのことを考えたら」
「ファルスタッフは観るの楽だね」
「二時間位で観られるから」
だからだというのだ。
「かなり楽だよ、それに重い作品じゃないし」
「娯楽系だから」
「喜劇でね」
ヴェルディの作品ではかなり珍しい、喜劇を苦手としてきた彼が最後の最後で喜劇の傑作を生みだしたのだ。
「そのことからも観やすいから」
「余計にいいね」
「たから楽しんできてね」
「ファルスタッフの視聴を」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「学んできてね」
「楽しく学ぶだね」
「学問は本来そうだっていうから」
楽しく学ぶものだというのだ。
「それでいいと思うよ」
「僕にしても」
「それでね」
菅はさらに話した。
「その後でね」
「劇にだね」
「活かしていってね」
「その為にも今は原作を読んで」
シェークスピアのウィンザーの陽気な女房達のことであるのは言うまでもない、尚この題名での歌劇も存在している。
「そしてヴェルディの歌劇も観て」
「勉強してね」
「そうするよ」
「歌劇部の視聴覚室で借りたのを観て」
菅はマルティにこうもアドバイスした。
「そうしてね」
「学んでいくことだね」
「逆に言うと学ばないと」
そうしないと、というと。
「何にもならないからね」
「そうだよね」
「政治家でも勉強している政治家としていない政治家は違うから」
政治かといってもだ。
「勉強していない政治家は具体的なこと言わないから」
「色々言っても」
「それでもね」
その実はというのだ。
「内容がないんだよ」
「具体的なことは言っていない、だね」
「具体的な解決案や対策は言わないで」
そうしてというのだ。
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