| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百六十九話 暴力を使わずにその八

「頭を使えばな」
「頭というか道具かな」
「そうかもな、けれどな」
「それでもなんだ」
「ああ、これでこの連中も暫く動けないからな」
 だからだというのだ。
「いよいよな」
「お袋をだね」
「探すにしても」
「あれっ、お袋は」
 僕達は部屋の中を見て回った、けれど。
 お袋はいない、それで首を傾げさせた。
「このお部屋にいるんだよね」
「これはです」
 畑中さんがここで僕にお話してくれた。
「下におられますね」
「下っていいますと」
「はい、おそらく畳の何処かの下に」
 そこにというのだ。
「隠し階段なりがあり」
「それで、ですか」
「地下室があり」
「そこにですか」
「お母様は隠されています」
「今親父が眠らせた人達が、ですか」
「私達が隣の部屋で暴れた気配を察知して」
 そしてというのだ。
「そのうえで、です」
「お袋を隠しましたか」
「そのうえで私達を迎え撃つつもりだったのでしょうが」
 それでもというのだ。
「私達の動きは彼等より予想が早く」
「それで武器を出そうとしたら」
「止様が眠らさせたのです」
「そういうことですか」
「私が思いますに、そして」
 僕にさらにお話してくれた。
「どの畳の下にです」
「隠し階段があるか」
「そが問題ですが」
 それでもとだ、畑中さんは足元の畳達を見た。
 そしてある畳を見てだった、何と。
 畑中さんは畳返しを使った、すると出て来た木の板の床の真ん中に階段があった。畑中さんはその階段を見て言った。
「ここですね」
「この下にですか」
「お母様がおられます」
「そうですか」
「はい、では今から」
「階段を下りてですね」
「お母様をお救いしましょう」
 こう僕にお話してくれた。
「これより」
「わかりました、ただ」
「何故この畳かはですね」
「よくおわかりになられましたね」
「僅かですがずれていました」
 その畳がというのだ。
「ですからそこからです」
「わかったんですか」
「お母様を慌てて隠して」
「そしてですね」
「畳を元に戻したにしても」
「慌てていたのでずれていましたか」
「それでわかりました、では」
 畑中さんは僕にさらに話してくれた。
「下りましょう」
「行ってきますね」
 親父が言ってきた。
「これから」
「親父が行くんだ」
「俺の仕事だからな」
 それでとだ、僕にも答えた。
「だからだよ」
「地下にも誰か柄の悪い人がいるかも知れないよ」
「その時はこれを使うさ」
 催眠スプレーを出してきての言葉だった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧