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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百六十八話 武力と暴力その七

「ああした独裁者は自分達に権力を集中させるな」
「独裁者だからね」
「だからもうな」
「裏のだね」
「ああ、社会もな」
「自分達に邪魔だから」
「消し去ってしまうんだよ」 
 そうするというのだ。
「そして裏社会全部な」
「なくすんだね」
「そしてそうした社会は一見聞こえはいいがな」
 ヤクザ屋さんがいないということでだ。
「ヤクザ屋さんよりやばいのが君臨している」
「そうした国だね」
「そうさ、だからな」
「ヤクザ屋さんとかも必要悪なんだ」
「ああ、どうしても存在するけれどな」
 それでもというのだ。
「出来るだけ小さくていい社会でな」
「なくなるとだね」
「それはそれで怖い社会だってな」
「思っていていいんだ」
「ああ、そしてそのヤクザ屋さん達とな」
「今からだね」
「やり合うな」
「それじゃあね」
「勝敗は一瞬で決まります」
 畑中さんも僕に言ってきた。
「お母様がご実家の何処におられるか」
「そのこともですか」
「わかっています」
「それじゃあ」
「一気に襲撃を仕掛けて」
「お袋を保護したら」
「もうです」
 その時はというのだ。
「脇目を振らずです」
「逃げるんですね」
「そうします」
「そうですか」
「ただ、この時は」
 ここでだ、畑中さんは僕にこうも話してくれた。
「どなたも逃げ遅れることは」
「あってはならない」
「そのことも打ち合わせています」
「誰もですか」
「左様です」
「僕もですね」
「はい、負傷者は救助して」
 そしてというのだ。
「撤収します、各自のGPSもです」
「それもですか」
「備えていますので」
「だからですか」
「はい」 
 それ故にというのだ。
「何があってもです」
「大丈夫ですか」
「はい」
 まさにというのだ。
「義和様も携帯をお持ちですね」
「はい、そしてそれに」
 GPSが備わっている。
「しっかりと」
「なら問題ないです、この度は少数精鋭ですが」
「誰一人としてですね」
「死んではいけない」
「そうした作戦ですね」
「八条家は人を犠牲、捨て石にすることはないです」
「人こそが最大の財産だからですね」
 僕は畑中さんに尋ねた。
「だからですね」
「左様です、人を捨て石にするなぞ」
「到底ですよね」
「すれば」
 それはというのだ。
「まことにです」
「自分に返ってきますね」
「後で、ソ連は人の命なぞ石ころ程度に思っていました」
 第二次世界大戦の戦い方がまさにそれだった、ソ連はそうして戦って二千万もの犠牲者を出してしまった。 
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