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夢幻水滸伝

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第百三十話 琉球に入りその十

「実際のところはな」
「まあそうじゃな」
「実際のところはな」
「起きた世界では鮫の全種類の一割おるかどうか」
 それ位だというのだ。
「おおよそな」
「少ないのう」
「そんなもんか」
「毒蛇も全ての蛇でそれ位か」
 毒を持っている種類の蛇はというのだ。
「蛇の全種類で」
「ほんま案外少ないのう」
「危険な種類は」
「まあ蛇は大蛇もおるがな」
「そっちはそっちで危険じゃ」
 この世界では二十メートルを優に超える大きさの蛇もいる、中にはドラゴンの様な強さを持つ相当に巨大な個体も存在している。
「しかし毒蛇もそれ位で」
「人食い鮫もか」
「そうだ、まあとにかくな」
 遠藤は釣り糸を見つつ二人にさらに話した。
「鮫もそんなものじゃ」
「そうか」
「そんなもんか」
「ああ、そしてこの世界の琉球の海では」
 あらためてこちらの話をした。
「人食い鮫もおるが」
「それだけじゃないのう」
「魚がよおさんおるな」
「そうだ、大きな魚もいて」
「釣れる」
「そうじゃな」
「その魚を釣って」
 そうしてというのだ。
「魚拓取るか」
「そうじゃな」
「でっかい魚釣ってな」
 井伏も山本も遠藤の言葉に頷いてだった、そのうえで釣りを続けていた。そして三人共見事な魚拓を手に入れた。
 正岡は武者小路と共に可愛い女の子が多くいる店で飲んでいた、彼等が起きた世界で言うキャバレーの様な場所だった。
 そこにいて美女達を侍らしつつ飲んでだ、彼は武者小路に話した。
「酒はなくてもぜよ」
「こうし0たお店は楽しめるわね」
「可愛いお姉ちゃん達に囲まれていると」
 今はトロピカルジュースを飲みつつだった、正岡は話した、
「それだけでな」
「楽しめるからね」
「そうぜよ、だからぜよ」
「今はね」
「ここで英気を養うぜよ」
「そうだね、酒池肉林じゃなくても」
 玲子もいる、それで二人と共に美女達を侍らしつつ言うのだった。
「こうしたことはね」
「楽しめるぜよ」
「そうなんだよね」
「よし、じゃあ今はのう」
 正岡は玲子の言葉を受けて述べた。
「楽しむぜよ」
「お姉ちゃん達に横にいてもらってね、ただ」
「ただ。何ぜよ」
「あんたお姉ちゃんは好きでも」
 それでもとだ、玲子は言うのだった。
「いやらしいことはしないんだね」
「そういえばそうね」
 武者小路もその話を聞いて言った。
「あんたは」
「わしはまだ高校生ぜよ」
 それでとだ、正岡は答えた。
「それでぜよ」
「いやらしいことはしないのね」
「向こうの世界でもこんなことはせんきに」
「そうなのね」
「お金もないしのう」
 こうした遊びが出来るそれもというのだ。
「精々酒池肉林ぜよ」
「文字通りの方ね」
 ふんだんに酒を飲み肉を食う方だというのだ。 
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