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夢幻水滸伝

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第百三十話 琉球に入りその九

「最近の説によると」
「十六メートルか」
「それだけの大きさだったみたいだ」
「そうじゃったか」
「四十メートル説も残っている口の化石から分析されてだったが」
「あらためて分析したらか」
「十六メートル位だったらしい」
 こう井伏に話すのだった。
「実は」
「そこまで大きくなかったか」
「そうだった、ただ大きなホオジロザメだからな」
「おう、強いのう」
「並の冒険者が戦っても」
 海だけでなくアマゾン川等大きな川にもこの世界では淡水生の鮫が棲息していたりする、星の者達が起きた世界でのアマゾンでは鮫はいないがこの世界でのアマゾンでは棲息していて人も襲って喰らうのだ。
「それでもな」
「餌になっとるけえ」
「とにかくホオジロザメより強いから」 
 大きな分だけというのだ。
「怖いよ」
「そうなんじゃな」
「わし等安芸のモンは瀬戸内しか知らんかったけえ」
 山本が自分達がいた場所から話した。
「こっちの世界の瀬戸内でも鮫はおるが」
「メガロドンはいなかった」
「おう、だからな」
 それでというのだ。
「知らんかったわ」
「そうだったか」
「瀬戸内におる鮫はシュモクザメとかじゃ」
「あのトンカチみたいな頭の鮫か」
「そうじゃ、あれも怖い鮫じゃが」
 この世界でも人食い鮫の一種として知られている、わりかし大型でしかも血に誘われて集まるので危険なのだ。
「それでものう」
「メガロドンと比べたら」
「ホオジロザメと比べてもじゃ」
「ずっとましか」
「格が違うじゃろ」
 それこそというのだ。
「それこそ」
「そうだな、それはな」
 遠藤も頷くことだった。
「自分が見てもな」
「そうじゃろ、しかしこんな鮫のこと詳しいのう」
 山本は自分達に鮫のことを話す遠藤にこう問うた。
「海に近いわし等よりも」
「鮫好きなんか」
 井伏はこう問うた。
「こんなは」
「好きと言えば好きでな」
 それでとだ、遠藤は二人に話した。
「家に親父が買った鮫の本があってな」
「それを読んでか」
「それでか」
「そうじゃ、鮫のことに詳しくなった」
 そうなったというのだ。
「深海の鮫もな」
「鮫は深海にもおるか」
「そうじゃったか」
「ネブカザメとかミツクリザメがおる」
 深海にはとだ、遠藤は二人にその深海の鮫のことも話した。
「とはいっても人は襲わんがな」
「深海に人が生身で入られるか」
「ちょっと無理じゃろ」
「だからそれはない」
「そうした鮫がおるのは知っとるがな」
「わし等にしてものう」
「というか人食い鮫の数は限られている」
 これが現実だというのだ。 
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