夢幻水滸伝
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第百三十話 琉球に入りその二
「ほな僕もな」
「寝るんやな」
「もう休暇が終わるまでな」
その時までというのだ。
「寝るか琉球料理食べようか」
「まあそこはな、それぞれでな」
「休んでやな」
「英気を養うことや、戦の合間に休んでいって」
「それが大事やな」
「ああ、ほな今から」
芥川はまた笑って話した。
「ゆっくりと」
「全軍休養やな」
「当直だけ残してな、その当直もな」
「しっかりとやな」
「当直の日が終わったら休んでもらうわ」
こう話してそうしてだった。
全軍でゆっくり入った、そうして英気をやしなうことにした。その中で滝沢は那覇の街に出て正宗と共に琉球料理を食べた。
そーきそばに足てびち、ゴーヤチャンプルにミミガーといったものを食べた、滝沢はその中で正宗に言った。
「本場の料理は違うな」
「はい、確かに」
正宗はそーきそばをすすりつつ滝沢の言葉に応えた。
「絶品ですね」
「そーきそばもな」
「何かこう」
「琉球の本物の味わいで」
「これはいいです」
「全くだ、幾らでも食べられそうだ」
滝沢はゴーヤチャンプルを食べつつ言った。
「本当に」
「はい、ここはあえてですね」
「腹一杯食べて」
「英気を養いましょう」
「そうしような」
「あれっ、二人共食べてるんだ」
ここで又吉が二人に声をかけてきた、二人は店の外の席で向かい合って食べていて丸見えであったのだ。
「どうかな、琉球料理」
「美味いな」
滝沢がその又吉に笑顔で答えた。
「本場だけあって」
「そう言ってくれて何よりですよ、こっちでも琉球は」
又吉は沖縄と言いそうになったのを止めて琉球を言って滝沢に答えた。
「料理が美味しいですから」
「そうだよな、景色は奇麗で」
「海もありますし」
「いいところだな」
「起きた世界じゃ基地ばかり言われますけれどね」
「基地だけじゃないな」
「はい、それで僕もですよ」
又吉は店員に客が一人追加と言って滝沢達と同じ台を囲んだ、そのうえで注文もしてからあらためて話した。
「戻ってきましたから」
「ならだな」
「琉球料理楽しみます」
「そうするな」
「いい機会ですからね」
「このそーきそばが」
正宗は今もそーきそばを食べている、その味を楽しみながら又吉に話した。
「病みつきになるな」
「そうだよね」
「拙僧大好きだよ」
「じゃあおかわりも」
「しようか」
是非にという言葉だった。
「ここは」
「それもいいね、ただね」
「ただ?」
「そーきそば以外のものをどんどん食べてもいいからね」
又吉は注文した料理の一つであるラフテーが来たのを見つつ話した。
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