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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百六十五話 冬の嵐の前その七

「あと四川料理も」
「韓国料理はそれ以上かも知れないわね」
「もうその辛さでね」
 それでだ。
「有名だしね」
「キムチとかね」
「もうどの料理も真っ赤で」
 唐辛子の赤であることは言うまでもない。
「それでね」
「しかもよね」
「大蒜も使ってるから」
「絶対にそうよね」
「だからね」
「鯖を食べる時も」
「ちゃんとね」
 その時もだ。
「大蒜と唐辛子だよ」
「韓国料理なら」
「もうこの味付けは絶対だからね」
「そうなるわね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「韓国料理って昔は辛くなかったんだよね」
 僕は詩織さんにこのことも話した。
「実はね」
「そうだったの」
「だって唐辛子はアメリカ大陸のものだから」
「そうね、じゃあ」
「それが太閤さんの朝鮮戦役で入って」
 この時の加藤清正さんが『大活躍』してもうコルテスやピサロすら平伏する破壊者になっている、あちらの人達のお話では。
「そこからだから」
「それ以前は」
「辛くなかったんだ」
「そうなるわね、確かに」
「あそこは塩も作れなかったしね」
「海はあっても」
「日本みたいな製塩技術なかったから」 
 何でも車輪も水車も針も造ることが出来ず染色技術もなかったらしい、李氏朝鮮の頃のことである。
「だからね」
「お塩の代わりとしてなの」
「辛いものが必要でね」
 塩分摂取になるだろうか、人は塩分がないと生きていけない。
「それでみたいだよ」
「あの味付けになったのね」
「お塩は手に入ったけれど」
 手に入ることはしたけれどだ。
「中国からだったから」
「他の国に握られていたのね」
「ちなみに中国のお塩は国家の専売だよ」
「漢の武帝よね」
「お塩だけでなく鉄もね」
 この両方がだ。
「国家の専売で」
「明とか清の政府を通してでないとなのね」
「買えなかったから」
 普通の商人を通してでなくだ、これなら楽に交易で手に入った。
「だからもうね」
「お塩手に入れるにも苦労したのね」
「人間お塩がないとね」
 詩織さんにもこのことを話した。
「生きていけないよね」
「そうよね」
「だからもうね」
「塩分摂取の為になのね」
「あの味付けなんだ」
「大蒜と唐辛子を大量に使ってるのね」
「そうなんだ、これが宮廷料理だと」
 李氏朝鮮のそれである。
「本当に辛くないしそれ以前のね」
「あちらのお料理も辛くないわね」
「うん、高麗の頃とか」
 勿論高句麗とか新羅とかの頃もだ。
「そうだったんだ」
「そうよね、やっぱり」
「李氏朝鮮の頃の宮廷を舞台にした作品多いけれど」
 あちらのドラマでだ。 
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