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ジョジョの奇みょんな幻想郷

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第一部 ケイオスクルセイダーズ
第二章 春雪異変~神浄刀矢さんとコラボ企画~
  31.変身~transformation~

「そう!俺たちは仮面ライダーW――――――――――さあ、お前の罪を数えろ!」
 決め台詞を叩きつけるや否や丞一はマフラーをたなびかせ疾走する。
 確かな速さを実感しながら和真の懐へと潜り込む。振り下ろされた剣戟をかわしお返しの蹴撃を喰らわせる。以前より速く、そして強くなった一撃に手ごたえを感じながらさらに猛攻を仕掛ける。
「オラァ!」
 フィニッシュの後ろ回し蹴りが炸裂するも、相手もまたなされるがままではなかった。剣の腹でしっかり防御をとっていたのだ。
「ブルルゥァァ!ちょこまか動いてんじゃ、ねぇぇぇぇ!」
 後ろ回し蹴りの決定的な隙をついて攻撃しようとする和真。だがこのときの和真は失念していた。すでに敵はこの二人だけではなかったことを。

『Attack Ride Blast!』
『ジオウ!ギリギリシューティング!』

「俺たちのことも忘れないでもらいたいな」
「ぐうう!猪口才な真似を!」
 これだけの攻撃を喰らわせてきたがまだまだ健在だった。RPGのボスで言ったらHPの半分ちょいのところだろう。
「やっぱり攻撃力が上がってもまだ足りねーな」
『ジョジョ!こういう時こそフォームチェンジってやつですよ!』
「フォームチェンジ!?んなもんやろうと思ってできるもんなのか?」
『できますとも!私とジョジョなら!さあ!思いを込めてパワーを上げるんです!英語で言うとストナーサンシャイン』
「OK!ならいっちょ、お熱いやつかましてやるか!」

『Heat!』




 一方その頃の西行妖の足止め組は。
「メイド秘儀『殺人ドール』+ルナダイヤル・キングクリムゾン」
 方や四方八方からの命をからめとらんとする枝をナイフによって迎撃し。
「だらぁぁぁぁぁぁ!どけぇぇぇぇぇ!小便かけんぞぉぉぉぉぉぉぉ!」
 方や刀片手に片っ端から死の枝を叩き折っていく。
 十六夜咲夜。魂魄妖夢。二人の従者の手によってこの最前線は維持されていた。咲夜は顔だけ後ろを向けた。
「霊夢!どのくらい術は完成しているの?」
「あと四割と言ったところよ!それまで持ちこたえて!」
「咲夜!やっぱり私も参加する!」
「いいえ!魔理沙!あなたは霊夢と妖怪の賢者を守ることに専念しなさい!万が一のことがあったら和真を抑えててくれているジョジョに合わせる顔がないわ!」
 この西行妖を封印する術は霊夢と紫、どちらかが欠けても完成はさせられない。ゆえに魔理沙がその護衛を請け負ったのだ。渋々引き下がった魔理沙を見て妖夢は丞一へと顔を向けた。それはちょうどジオウが祝い始めたところだった。
「おーおー。向こうなんかもう終わりそうな勢いだな。それにしてもメイドの割にはやるじゃないですか。てっきり殴るの専門家と思ったが」
「あなたに言われても皮肉に聞こえるわね。さっきの戦いで再起不能になったうえに片腕使えないでよくやるわ」
 妖夢は先の戦いでの無駄無駄ラッシュで片腕を負傷していたのだ。
「あんたも片腕じゃないですか」
「あんな桜ごとき――――――片手一本で十分よ」
 そう言い放ち咲夜は右人差し指を店へと伸ばした。
「お嬢様が仰っていたわ。私の進化は光よりも速い。何人たりとも私を止めることはできない、と」
 それを言い終わった咲夜の背後にスタンドはおらずその腰には銀色のベルトが巻かれていた。
 そしてどこからか現れた赤いカブトムシを掴み顔の横まで持って行きその言葉を発する。
「変身」

『HENSHIN』

 そこにはカブトムシの意匠が施された銀色の鎧の戦士がいた。
「え?何ですそれ?え?やろうとしてできるもんなのそれ?スタンドの極致とか言ってなかったそれ?」
「やろうと思えば誰でもできるわよ」
「エンハンサーのバーゲンセールですね」
 ※実際そんな簡単にはできません。しっかり地道に特訓をしましょう。遠回りこそが最短の道なのだ。
「なら、いっちょ私もやってみっか!ウオォォォォ!」
 妖夢は腰を落とし手で四角形の軌跡を描き始めるとなにかすさまじい小宇宙的な何かが溢れだしていた。
「燃えろ!私の何かぁ!」
 すると、不思議なことが起こった!妖夢の腰に小刀の着いたバックルが手にはオレンジの南京錠が握られていた!
「変身!」

『オレンジ!』
 南京錠を開けると妖夢の真上にジッパーが現れ、それが開くと巨大なオレンジが落ちてきた。バックルの窪みに南京錠を嵌め込み錠を閉じる。
『ロックオン!』
 バックルの小刀を倒し、オレンジを割る。
『ソイヤ!オレンジアームズ!花道オンステージ!』
 落ちてきたオレンジが妖夢を包み鎧となった。

「アイエー!?カブト!ガイム!カブトガイムナンデ!?」
 ジオウが遠くで驚いていることもつゆ知らず、腰の二刀、『大橙丸』と『無双セイバー』を弓を引くように構える。
「こっからは私のステージだぁ!」












『Heat!』
 丞一は右側の緑色のメモリを抜き、代わりに赤い色のメモリを差し込む。
『Heat!Joker!』
 すると体の右半身の色がメモリの色と呼応するかのように真っ赤に染まった。そして一気に和真へ駆け出し、振りかぶった拳を和真に叩き込む。本来ならこんなテレフォンパンチをかわされてしまうのだろうが、思考がバルバトスになっている今の和真にはかわすことができなかった。
「ブルルゥァァ!?」
『さっきより効いてますよ!』
「ああ。やっぱり赤は攻撃ってことなんだな。ドンドン行くぜ!」
 そこからさらに丞一の怒涛の連撃が始まった。先程のサイクロンジョーカーのような俊敏さはないもののその膂力によって確実にダメージを加えていった。
 さらに和真が反撃しそうになった時はディケイドとジオウがその反撃をことごとくつぶしていった。
「おい!W,ジオウ!そろそろ決めるぞ!」
「ああ!じゃあ、締めは任せたよ二人とも」
『FINAL ATTACK RIDE!DE DE DE DECADE!』
『フィニッシュタイム!ジオウ!タイムブレーク!』
 大量の『キック』の文字が和真を包囲、拘束したかと思えばその文字がジオウの右足へと収束し、ディケイドが出した和真との間に展開されたカードの軌跡を通過してゆく。
「グゥオォォォォォァ!」
 二人の必殺技を前に和真が吹き飛ばされる。この明確な隙を丞一と早苗は見逃さない!
「今だ!行くぜ早苗!」
『はい!ジョジョ!』
 この明確な隙を前に丞一がとったその行動はっ!必殺技を喰らわせるわけでもなくなんと逆にWの変身を解除したっ!しかし!和真のそのすぐ後ろには!早苗が立っていた!
「クレイジー、ダイヤモンド!『直す(戻す)』!」
 クレイジーダイヤモンドの能力は直す能力。戻す能力とも言っていい。だがその能力は本人のさじ加減で決まる。原作でも怒りで我を失った仗助が不良の顔や承太郎の帽子を変に直したり、トニオのパスタを具材にまで戻していた。
「そう、和真さんをジョーカーの浸食がないところまで戻す!」
「グルるぅぁぁぁぁぁぁぁ!」
 和真の、否。和真の中に眠っていたジョーカーアンデットの段股が響き渡るのと同時に、みるみるうちに黒い甲殻が剥がれ落ち金色の鎧が見え始めていた。そしてその断末魔を尻目に丞一と早苗はジョーカーアンデット煽り始める。
「そう!ジョーカーアンデット」
「あなたは!」
「「『これも計算のうちか丞一、早苗…』という!」」
「こ、これも計算のうちか丞一、早苗ぇぇぇ!」
「当たり前だぜ!このジョジョ!何から何まで計算ずくだぜーっ!」
 高らかに宣言し終わったところで残りの甲殻はすべて剥がれ落ち、元の金色の鎧が露わになるとすぐに変身が解除された。
「和真っ!…………気絶しているだけみたいだな」
 気絶した和真を早苗に任せ丞一は助けてくれた二人にお礼を言おうと二人がいた方を見るも、そこに二人の姿はなかった。




「あっちは終わったみたいね」
 咲夜はカブトクナイガンで迫りくる枝を斬り落としながら丞一たちの方が片付いたのを確認した。
 姉として弟に負けていられないと気合を入れ直したところに霊夢からの合図が飛んだ。
「こっちは準備はできたわ!」
 術の完成を察知したのかどうかはわからないがまるで最後のあがきとでもいうかのように夥しい数の枝の攻撃が早苗と妖夢を襲う。しかしその時、一筋の光線が通り過ぎて行った。
「恋符『マスタースパーク』!」
 今の今まで戦闘にまともに参加できなかった魔理沙の鬱憤が晴らすが如くありったけをそれに込めた。だが、わずかにそれた光線は枝の半数を削るに至ったが、残りの半数は霊夢たちへ襲い掛かる。

『ロックオン!一、十、百、千、万!オレンジチャージ!』
『1,2,3』

「させねぇよ!セイッハァーー!」
 妖夢の薙刀から放たれたオレンジの斬撃が一掃すし、

「ライダー、キック」
『Rider Kick』
 咲夜の放った回し蹴りの波動が枝を消失させた。

「行け、霊夢!お前が決めろ!」




――――――――――二重結界!



 
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