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ジョジョの奇みょんな幻想郷

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第一部 ケイオスクルセイダーズ
第二章 春雪異変~神浄刀矢さんとコラボ企画~
  30.CとJ二人で一人の

 ラッシュをかまし和真大きく吹き飛ばした二人。丞一はその片割れである早苗に向き直り、
「せいっ!」
「プレリュード!?」
 チョップをかました。寸分の狂いなく頭頂部を捉える痛恨の一撃に早苗は頭を抱え悶絶していた。
「………何するんですか!」
「こっちの台詞ベストイヤーだよドアホ!お前風邪だろうが!ついさっきまで寝込んでただろうが!」
「そんな一年と三十二日前のことなんて忘れましたよ」
「こんな時に遠回しな未投稿期間の指摘をやめろ」
「まあまじめな話ですと風邪薬飲んだら治ったんで急いで飛んできました」
「風邪薬ってそんな即効性ないだろ」
 なんだろうかこのぐだぐだは。しかしその中に一種の心地よさを丞一は感じていた。
「ブルルゥァァ」
 と、うめき声をあげ和真は立ち上がった。いやうめき声なのかは知らないけど。
 早苗は目の前と霊夢たちの方を見てやっと神妙な顔をした。
「…………何やら、本気でまずい状況みたいですね」
「…………ああ、そういえばこっちはタイムリミット付きだったな」
 丞一も改めて周りを見渡す。空に黒い巨大な立方体を捩じったようなものが出現した。
「なんじゃありゃ」
「よく見てください!ジョジョ!」
「マジでなんじゃあ!ありゃぁ!ねじれこんにゃくの中に!無数のジョーカーアンデットがいやがる!」
 丞一が驚きの声を上げたその時だった。










「あれは『モノリス』。バトルファイトに決着がついたときに現れるものだ」
「モノリスが出現するってことは世界の崩壊待ったなしってことだ」
「あ?いや、あんたら誰だよ!」
 そこにいたのはうちのメタキャラでも今回の件の解説者である紫でもなく、二人の青年だった。一人はピンクの「ピンクじゃない!マゼンタだ!」トレマゼンタ色の着流しにトレイカメラを首に下げたイケメン。もう一人は黒のトレンチコートを着た普通を絵にかいたような男だった。
「俺か?俺はっとそんなことより来てるぞ」
「ブルルゥァァ!」
「っ!早苗!」
 いきなり襲ってきた和真に対して二手に別れる。この時和真はわずかなタイムラグが発生した。今まで丞一にのみ反応していたのが早苗も視野に入れなくてはならなくなったからだ。
「合わせろ!」
「はい!」
『オラぁ!』
『ドラァ!』
 二人のスタンドは和真を囲み拳を蹴りを喰らわしていく。決して弱くはない一撃一撃。しかし、まったくといっていいほど堪えてなかった。
「効かんなぁ!ブルルゥァァ!」
 二人の攻撃を受け止めその上から攻撃をする和真に対して何とかガードに間に合うも、ガードの上からにもかかわらず骨の軋む音がした気がした。
「ぐ!」
「きゃ!」
「貴様らの死に場所は、ここだ!ここだ!!ここだぁ!!!」
 ただの件の振り下ろしにもかかわらず凄まじい威力で二人を吹き飛ばした。
「おい。やられっぱなしだが?すでに万策尽きていたか?」
「いきなり出てきてはずいぶんな物言いだな」
そのあまりの上からの物言いに丞一も思わず苦笑を浮かべた。やれることはやった。エンハンサーも、マキシマムドライブも、時止めも、ラッシュも、さらには二人掛かりでのラッシュもやれる攻撃は統べてやり尽くした。だが、そのすべてが通じず今に至っている。万策尽きたと思われても仕方がない。それでも、丞一の瞳には和真が真っ直ぐ写り混んでいた。
「まだ一つだけある。だがそれには決定的な隙が必要だ。不意打ちとかで突くようなわずかな隙ではなく、さながら局面を決定づける究極の一手。だが、もう一押しが必要なんだ」
 ほう、と男は薄ら笑いを浮かべると丞一の前に出た。
「だいたいわかった。その一手ならそこの男がおそらく持っている。それを()()()()こい。それまでの時間稼ぎくらいはしてやる」
 そういうと男の後ろには幽霊のようなものが見え隠れしていた。しかし、丞一は知っていた!それがただの幽霊ではないことを!
「あんたもスタンド使い!」
「おい!()()()!さっさと渡せよ!」
「そろそろその呼び方よしてくんないかな!といったところで直してくんないか」
「わかっているじゃないか」
 そう言った後彼は駆け出して行った。そしてもう一人の方が俺たちのほうえ寄ってきた。
「はい!これ!」
 そういって懐中時計のようなガジェットを渡してきた。そこには2009と書かれ。黄緑と紫で装飾されていた。
「っ!」
 そしてそれは手にした瞬間、ビビっときた。妙に馴染んだ。まるで自分のものであるように錯覚した。早苗の方を見ると早苗の方はもっと混乱していた。時計をも持ってない分余計にわからないのだろう。しかし、これをどうしろと?そう思っているとこうだよ!と言ってハンドジェスチャーをしていた。ジェスチャーどうりに時計の絵柄を合わせるとさらに驚いた。
「これは、緑と、黒の、ジョーカー?!」
 それは己の戦闘形態エンハンサーの色違いの顔だった。
 そしてボタンを押した。
W(ダブル)!』
 音声が流ると時計が消え、強制的にエンハンサーへと移行させられた。しかし腰に巻かれていたものはロストドライバーではなかった。
「これは!」
 ロストドライバーのスロットの反対側にもスロットが備え付けられており、もう一本メモリが挿せるようになっていた。そしてそれは早苗の腰にも巻かれていた。
 いつもとあまりにも勝手が違うが丞一もそして初めてであろう早苗もわかっていた。なぜなら、エンハンサーは自身の戦闘本能の具現化。精神の具現であるスタンドを変化させ纏うもの。いくら変化させようともそれは自分自身。腰のこれがどういうものなのかが二人にはすべてわかっていた。
「やっと終わったか。さっさとこいつを倒すぞ」
 いきなり現れたマゼンタの男の腰には同じくベルトが巻かれていた。
「ああ。さくっと世界救っちまおう!」
『ジクウドライバー!』
 もう一人の男もそれに呼応しドライバーを装着した。
 まったく後からきて勝手に仕切らないでほしいもんだ。丞一も普段ならイラついていただろうが今はありがたいと思っていた。まるで、言っとくけど新しい力に戸惑う時間なんてやらねーよ、と背中を押されているようで。いつもなら理不尽だというだろう。だが今、世界の危機、世界の存亡がかかっているこの場に立つということはそういうことなのだろう。そして、丞一もが今まで指針にし追いかけてきた二人なら同じ立場だったとしても臆さないだろう。そして、
「行きましょう。ジョジョ(相棒)!」
 早苗も決して臆さない。その事実が丞一のわずかな迷いを打ち消す。
「ああ、早苗(相棒)



 
『KAMEN RIDE』
『ジオウ!』
『Cyclone!』
『Joker!』


新しい力。どんなものかはわからない。だが、なるようにはなる。いつもそうやってやって来た。そして今、早苗もいる。なんか知らないが行ける気がする!丞一の不敵な笑みはこんな世界終末期でも消えることはなかった。そして、己を奮い立たせ、闘志を解き放つ!


「「「「変身!」」」」

『Decade!』
『ライダータイム!カメンライダー!ジオウ!』
『Cyclone!Joker!』


その新たな姿に西行妖を足止めしていた咲夜や魔理沙、霊夢や紫すらも目を奪われていた。
「え?何なんだぜ?あれ?前見たのと違うんだけど?なんか半分こだし。早苗も脇で気絶してるし……ハッ!」




「祝え!」
 



「以心伝心!幻想郷の平穏を守る二人で一人の仮面ライダー!その名も『仮面ライダーW』!一つの物語が始動した瞬間である!」
魔理沙は思い出していた。そう、いつかの雪合戦の時のことを。

『私たちは二人では一人の風祝ですよ?』
『半分力貸せよ。相棒』


「あれ伏線かよ!?」

 マゼンタの男――ディケイドとか言ってたな。ベルトが――冷ややかな目を仮面越しに見ているのを気にせず。丞一もそして丞一の中に何故かいる早苗も、感慨を受けていた。
「二人で一人…………」
『W、ですか……』
「『いい!すごくいい!!』」
 この二人、そういう二つ名的な奴大好きなのである。
「そう!俺たちは仮面ライダーW――――――――――さあ、お前の罪を数えろ!」 
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