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八条学園騒動記

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第五百五十七話 昔ながらのラーメンその六

「どうもな」
「そうですか」
「学生食堂でもな」
「流石に学生食堂は早くて安いですよね」
 それはとだ、ティンはおっさんが出してくれた炒飯を食べつつ応えた。それは春香も同じで焼き餃子とレバニラをおかずにしている。
「そうですよね」
「ああ、しかしな」
「それでもですか」
「味はな」
 この要素はというと。
「最悪らしいな」
「そうですか」
「もうとんでもなく粗末なものが出てな」
「そういえば」
 ここで春香がレバニラを箸で食べつつおっさんに応えた、おっさんの手は今も止まらずどんどん学生達が注文した料理を作っていっている。
「イギリスの映画とかですと」
「食堂の料理酷いだろ」
「学生食堂の場面で」
「もう餌っていうかな」
 おっさんは笑ってこうも言った。
「酷いものが出るだろ」
「はい、質素という言葉も値しない」
「そんなもの出るよな」
「実際に」
「そんなところもあるからな」
「中には」
「流石に連合じゃないだろうけれどな」
 自分達の国ではというのだ。
「そしてこの学校じゃな」
「そうしたお店ないですね」
「ああ、あったらな」
 それこそというのだ。
「その店の恥だよ」
「イギリスの学生食堂みたいだと」
「本当にな」
「ああしたものはですね」
「というかラーメンも炒飯もないんだよ」
 今春香達が食べているものはというのだ。
「エウロパにはな」
「そうですか」
「そう、そしてね」
 それでというのだ。
「もうイギリスの麺、ヌードルなんてな」
「のびてます?」
 ティンが尋ねた。
「やっぱり」
「ああ、もう最初からな」
「やっぱりイギリスですね」
「パスタだってな」
 これもというのだ。
「イギリスの学生食堂だとな」
「のびてますか」
「茹で加減がわかってないからな」
「それで、ですか」
「もうな、出した時点でな」
「のびていて」
「まずいらしいな」
 そうだというのだ。
「どうやら」
「最初からのびてるとか論外ですね」 
「ああ、そうだよな」
「連合でもたまにそうしたお店ありますけれど」
「あるの」
 春香は炒飯を食べつつティンに尋ねた。
「そうしたお店が」
「あるわよ、母国で親戚の家の近くのうどん屋さんがね」
「そうだったの」
「日本料理店で」
「おうどんだとそうね」
「そこで鴨そば頼んだら」
 これがというのだ。
「もうお蕎麦がね」
「最初からなの」
「のびてたのよ」
「連合にもそうしたお店あるのね」
「しかもね」
 ティンはその店の蕎麦についてさらに話した。 
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