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八条学園騒動記

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第五百五十六話 ガイドブックその八

「リアルで」
「もうお互いのイベントとか劇とか出店にね」
「文句言って」
「そこで売り言葉に買い言葉で」
 そうなってというのだ。
「その場で小競り合いにね」
「なるのね」
「ティンエウロパのお店とか見たらどうなるかな」
「絶対に怒るわよ」
 ティンは自信を以て答えた。
「そしてね」
「それでだよね」
「私喧嘩はしない主義だけれど」
「向こうから売ってくるよ」
「手袋投げて?」
「貴族だとね」
「嫌味にもよね」
 連合ではエウロパのそうした作法はそうしたものになっているのだ。
「そうしてきて」
「下賤の者とか言って」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「売ってくるのよね」
「労働者階級というか平民だとそれ抜きでね」
「殴って来るのね」
「そうしてくるからね」
「どっちにしろ喧嘩になるのね」
「こっちも売るし」
 連合側もというのだ。
「それでね」
「そのうえでよね」
「やっぱり喧嘩になるから」
「交流イベントは火種ね」
「何かそれを乗り越えて」
 その騒動をというのだ。
「それで友好を築いていく」
「学校の方はそう考えてるの」
「そうみたいだよ」
「無謀にも程があるわね」
「だってね」
「だって?」
「マウリア人って時間の間隔凄いから」
 連合そしてマウリアから見ればだ。
「一世代どころか」
「何世代もなの」
「じっくりと時間をかけて」
 そうしてというのだ。
「友好を築こうって考えらしいよ」
「何世代もなのね」
「もっと言えば何十世代ね」
「悠久の時間ね」
「そうした学校の運営にして二百年らしいけれど」
「二百年の間喧嘩ばかりなのね」
「それでもたかだか八世代とか言って」
 一世代二十五年、それで二百年となると八世代になるのだ。
「普通にね」
「続けていってるのね」
「喧嘩も乗り越えるべきもので」
「抗争になっても」
「それは止めてるし」
 警察署まで置いてだ。
「そのうえでね」
「何十世代もかけてなのね」
「友好を築こうと考えてるらしいよ」
「遠大な計画ね」
「あそこはもうね」
 マウリアはというのだ。
「千年二千年でね」
「考えていくから」
「だから何十世代もね」
 それだけだというのだ。
「長く考えているんだ」
「そうなのね」
「うん、それでね」
「今どれだけ憎み合っていても」
「やがてそれは収めるべきだって考えているらしいよ」
「無理よね」
 ティンは即座に言った。 
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