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八条学園騒動記

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第五百五十六話 ガイドブックその一

               ガイドブック
 ピーターはティンにそのトルコ喫茶に行くと決めてからだった、すぐに行こうと決めていたがその前にだ。
 カトリにティンとの話の後で自室で携帯で話を聞くとカトリにこう言われた。
「一人で行くの?」
「そう言われたら」
「それもあれでしょ、だからね」
 カトリはピーターに笑って話した。
「ウェンディとね」
「ああ、行くといいんだ」
「そうしたらどう?」
「そうだね、じゃあ明日ね」 
 この時にというのだ。
「ウェンディ誘ってね」
「二人で行って来るのね」
「そうしてくるね」
「それがいいわ、コーヒー飲んで」
「トルコアイスもだね」
「あそこトルコアイスが絶品だから」
 それでというのだ。
「食べたらいいわ」
「そうしてくるよ、実はね」
「ティンちゃんから聞いたのね」
「うん」
 実際にとだ、ピーターは答えた。
「お店のことをね」
「そうよね、だからよね」
「前から美味しいって聞いてたし」
「それでよね」
「これからね」
 つまり明日にというのだ。
「行ってくるよ」
「あのお店喫茶店で上位だしね」
「上位?」
「そう、学園のガイドブックの中でもね」
 カトリは笑顔で話した、声で笑顔なのがわかることだった。
「そうなのよ」
「ガイドブックって」
「だから八条学園の中の美味しいお店のね」
「どのお店がどれだけ美味しいか」
「それが書かれた本があってね」
 それでというのだ。
「その本読んだらね」
「そのお店上位にあるんだ」
「喫茶店の中でもね」
「そうだったのね」
「そう、昔から人気らしいのよ」
「昔っていうと」
「代々ね、出来たの三百年前らしいけれど」
 カトリはティンにさらに話した。
「ガイドブックに書かれている限りだと」
「その頃からなんだ」
「美味しいって評判らしいのよ」
「三百年ね」
「そう、ただね」
「ただ?」
「ピーター若しかしてガイドブック知らなかったの」
「うん」
 実際にとだ、ピーターは携帯の向こうのカトリに答えた。
「実は」
「そうだったのね」
「いや、そんな本も出てるんだね」
「うちの学園の公式認定よ」
「公式なんだ」
「そう、だってうちの学園はね」
 カトリはピーターにさらに話した。
「広くて人も多くてお店も多くて」
「だからだね」
「本当に一つの街だから」
「学園都市とも言われるしね」
「そんなところだから」
 それだけにというのだ。
「そうした本も出てるのよ」
「公式で」
「そう、そしてね」
 そのうえでというのだ。 
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