| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五百五十五話 喫茶店での話の後でその六

「本当にね」
「そうよね」
「これは基本だよね」
「人間として」
「自分がやられて嫌なことはね」
「相手にしろとは言わない」
「もう一緒に逃げる位でないと、しかしね」
 ピーターはどうかという顔になってティンにこうも話した。
「酷い奴だったらいるからね」
「そんなことする人が」
「そう、まあ嫌われるけれどね」
「それは当然ね」
「僕のクラスで一人そんな奴いるんだ」
「そうなの」
「人に頼む時とかはへりくだるけれど」
 そうするが、というのだ。
「そうじゃないと尊大でしかも人の鞄の中漁ったり」
「図々しいのね」
「観ていて何で嫌われないと思っていたら」
「嫌われてたとか?実は?」
「いや、類は友を呼ぶでね」
 ピーターがここで出した言葉はこれであった。
「そんな奴と一緒にいられる奴は」
「同じレベルの奴ってことね」
「汚物には蠅がたかるんだよ」
 ピーターはこの言葉も出した。
「花には蝶が寄ってね」
「後の言葉はいいけれど」
「先の言葉は悪いね」
「どうもね」
「けれど実際にね」
「質の悪い人同士で集まるものなのね」
 ティンもこう言った。
「そういうことね」
「それでちゃんと彼を嫌ってる人にも会ってるよ」
「そうなのね」
「本当に汚物には蠅がたかるよ」
 質の悪い人間で集まるというのだ。
「花には蝶が寄ってね」
「凄くいい言葉ね」
「いい人はいい人で集まるんだよ」
「人はそちらに行けばいいのね」
「質の悪い人達のところに行っても」
 例えそれがまだ年端もいかない十代の人間のそれでもだ。
「いいことなんてないからね」
「仲間と思っていたら利用しているだけ」
「それでお互いの間も実はね」
「そんな間柄なのね」
「そうだよ、だから」
「そんな人達には近寄らない」
「誰とも友達になれることは大きいけれど」
 そのことはかなりのことでもというのだ。
「けれどね」
「それでもなのね」
「質の悪い人達には近寄らないことだよ」
「最初から」
「そう、おかしな人達にはね」
「そういうことね」
「それでそんな人達の振る舞いを遠間で観て」
 その様にしてというのだ。
「こっそり反面教師にするといいよ」
「ああはなるまい、ね」
「そうそう」
 まさにというのだ。
「そういうことだよ」
「成程ね」
「そしてね」
 ピーターはさらに話した。
「そんな奴って悪い顔してるよ」
「人相悪いのね」
「顔立ちが悪いんじゃなくて」
「人相がよね」
「悪いよ」
「そうね、意地悪な人ってね」
「顔に出るよね」
「そうなるわね」
「そうだね、だからね」 
 それでというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧