夢幻水滸伝
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第百二十七話 破られた必勝その一
第百二十七話 破られた必勝
シェリルはプラチナドラゴンに乗る自身を操るドラゴン達に護らせつつ綾乃に術を浴びせドラゴン達に攻撃させていた。
だが綾乃は自身の術と大蛇の力で防いでいる、それでシェリルも言った。
「ここまで長く戦ったのははじめてよ」
「うちもやで」
綾乃もこう返した。
「ほんまに」
「そうよね」
「ええ、けどな」
それでもとだ、綾乃はシェリルに返した。
「そろそろ終わらせるわ」
「私に勝ってというのかしら」
「もう正直うちも体力と気力の限界やし」
「そこは私と同じやね」
「決着つけるわ」
「では」
「仕掛けるで」
綾乃は大蛇の背で左手を前に出し掌を開き右手をそこに添えて身構えた、そのうえでシェリルに対して言ったのだ。
「これから」
「そう、では私も」
シェリルもシェリルでだ、全身に力を込める様な姿勢になった。
そうしてだ、綾乃に対して言葉を返した。
「仕掛けるわ」
「お互いにやね」
「勝つのは私よ」
シェリルの全身に白が入った赤に燃え上がるオーラが出て来た、そのオーラを全身にまとい。
両手から術を次々と放ちドラゴン達もそれぞれのブレスを浴びせてきた、大蛇はそれを見て綾乃に言った。
「来たで」
「文字通りの総攻撃や」
「あの攻撃やと百万の軍勢も倒せるな」
「そこまでのもんやな」
「そやね、けど」
それでもとだ、綾乃は大蛇の八つの頭に応えた。
「うちもや」
「ここはやな」
「勝つ」
「そのつもりやからやな」
「仕掛けるな」
「やるで、ここは」
こう言ってだ、綾乃は再び身構え。
全身に白金色に輝く気をまとい燃え上がらせてだった。
大蛇の巨大な身体もそのオーラで包んだ、そうして言った。
「三種の神器の力全部引き出したから」
「三つ共やな」
「草薙の剣、八咫の鏡、勾玉の」
「全部の力をやな」
「そや、引き出したさかい」
それでというのだ。
「そうそうな攻撃は大丈夫やで」
「そうなったさかいな」
「それでやな」
「ここは一気にやな」
「いくんやな」
「そうそうな攻撃は防げるから」
それがシェリルの百万の軍勢も倒せる様な攻撃でもというのだ。
「やるで」
「ほなな」
「やったるか」
「今から」
「そうするで」
こう言ってだった、そのうえで。
綾乃は大蛇を全速力で前に突っこませた、そうしつつ。
正面から来るドラゴンのブレスは己の術で弾き返しシェリルの術は大蛇が突進しつつ上下左右に素早く動きかわし。
シェリルが乗るプラチナドラゴンに接近しさらにだった。
大蛇でドラゴンに体当たりを浴びせた、すると。
シェリルはドラゴンの背から落ちた、そのまま落下すると思われたが。
ここでシェリルは浮遊の術で宙に留まった、だがここでシェリルは自分の後ろにいる綾乃に背を向けて言った。
「勝負ありね」
「ドラゴンから落ちたからやね」
「こうなってはね」
それこそというのだ。
「負けを認めるしかないわ」
「そう言ってくれるんやね」
「ええ」
シェリルは綾乃にさらに答えて述べた。
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