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夢幻水滸伝

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第百二十六話 ドラゴンと陣その十五

「もうすぐ終わらせるで」
「わかりました」
「よし、あと一押しだしな」
 幸田はその手にある虎徹を構えて言った。
「やるか」
「ああ、頼むで」
「あーしも行きますわ」
 麻里佳は麻里佳で構えつつ言った。
「術まだ使えますさかい」
「頼むで、勿論僕もな」
「二人への助太刀は考えてへんな」
 鵺が両手に刀を一本ずつ構えた己の主に問うた。
「それは」
「一切な」
「やっぱりそうか」
「そや、その必要はないからな」
 だからだとだ、中里は鵺に答えた。
「そやからや」
「ここはやな」
「僕は采配と軍勢相手の戦に専念する」
「そうするねんな」
「そしてや」
 中里は鵺にさらに話した。
「自分は何を食うつもりや」
「決まってる、カレーや」
 鵺は中里の今の質問にもきっぱりと答えた。
「それや」
「自分の好物やな」
「麦飯で鶏肉と野菜をたっぷり入れたな」
「それやな」
「あと蘇やな」
「あれか、チーズやな」
 中里は蘇と聞いてこの食品の名前を出した。
「それやな」
「ああ、味そっくりやな」
 鵺はチーズも食べる、それでこう己の主に返した。
「蘇とチーズって」
「というか同じ乳製品でや」
「作り方はちゃうにしてもな」
「味が同じ感じになることはな」
 どうしてもとだ、中里は鵺に話した。
「当然やな」
「そやな」
「それを戦の後でやな」
「食べたいわ」
「そう思うならな」
「ここはやな」
「最後の一押しいくで」
 こう言ってだった。
 中里は鵺に乗りつつ自ら戦い六十万の兵を動かしていた、そうして戦い戦局をさらに進めていっていった。


第百二十六話   完


                2019・8・16 
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