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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百六十二話 夜の屋上でその三

「やっぱり」
「お酒飲んですぐにお風呂入ることはね」
「特にかなり飲んだ時はね」
 つまり泥酔状態の時はだ。
「入らない方がいいよ」
「心臓に悪いからね」
「本当に悪いから」
 心臓、身体で一番大事な部分の一つにだ。
「冗談抜きに心臓止まるよ」
「死にかねないね」
「実際にそれで死んだ人いるし」
 お酒飲んでお風呂に入って心臓が停止してだ。
「そうなった人いるから」
「止めた方がいいね」
「泥酔して入る人は止められるし」
 この学園でもだ。
「流石にね」
「江田島のホテルでもそうだったね」
「命に関わるから」
 何といってもだ。
「だからね」
「このことは当然のことだね」
「二日酔いの時でいいから」
「その時は大丈夫だね」
「うん、それでもね」
 飲んですぐの時はだ。
「入らない方がいいよ、ほろ酔いならまだいいけれど」
「それ位だったらね」
「それかまあ一眠り位の時間が経って」
 大体これ位だと思う。
「それでね」
「そのうえでだね」
「入るといいよ」
「とにかく飲んですぐは駄目だね」
「命の危険があるからね」
 このことを考えるとだ。
「止めるべきだよ」
「止めた方がいいじゃなくて」
「だから止められるんだ」
 この学園でもホテルでもだ。
「無理に入ろうとしたら帰されるし」
「それが正しいね」
「そうだね、じゃあ君はこれで」
「寝るよ」
 僕にそのかなり酔っている顔で答えた。
「今からね」
「それじゃあね」
「それで君は」
「ちょっと屋上行こうかな」
 今ふと思った。
「そうしようかな」
「涼みに行くのかな」
「それかね」
「それか?」
「何となくかな」
「星を見に行くとかは」
「そうした趣味はなくてね」
 アタクルク君に少し苦笑いになって答えた。
「だからね」
「それはしないんだ」
「うん」
 こうアタクルク君に答えた。
「今はね」
「そうなんだね」
「それとね」
 僕はさらに話した。
「涼んでお酒をね」
「抜くんだ」
「それでも違うから」
 涼むだけでだ。
「だからね」
「今はだね」
「ちょっと屋上に行くよ」
「じゃあね」
「お休み」
「お休み」
 僕達は寝る時の挨拶をお互い日本語でしてからだった、そのうえで今日はお別れをした。そうしてだった。
 屋上に行くとだった、そこに香織さんがいた。それで僕は一人でいる香織さんに近付いて声をかけた。
「涼んでるの?」
「ちょっとね」
 微笑んでだった、香織さんは僕に微笑んで答えてくれた。 
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