麗しのヴァンパイア
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第二百二十四話
第二百二十四話 光の魔法には
赤音は自分が眼鏡やコンタクトレンズを使うということは絶対にないと思っていた、だがそんな中で。
塾で今田先生にこう言われた。
「光の魔法は眩しいですね」
「それも武器ですよね」
「はい、ですが」
「ですが?」
「あまりにも眩しいので」
だからだというのだ。
「使用の際を気をつけて下さいね」
「眩しいからですか」
「目にもよくないので」
「目ですか」
「サングラスをかけるなり」
今田先生は赤音に話した。
「工夫されて下さい」
「サングラスですか」
「はい」
そうだというのだ。
「それをかけてです」
「眩しさからですか」
「目をガードすることも」
このこともというのだ。
「大事ですよ」
「私は光魔法が得意なので」
「光魔法はいい魔法ですが」
それでもというのだ。
「その眩しさは使用者にも影響を与えかねないので」
「だからですか」
「そうです。平沢さんも考えて下さいね」
「サングラスしてもいいんですか」
「サングラスは目を守るものですよ」
「お洒落のものじゃないんですね」
「お洒落のものであり」
それと共にというのだ。
「そうしたものでもあります」
「だからですか」
「お考えになって下さいね」
「わかりました」
赤音も頷いた、するとだった。
今田先生はすぐにサングラス、黒いそれを一つそっと赤音に差し出してそのうえで彼女ににこりとして話した。
「お使いになって下さい」
「いいんですか」
「お渡ししますね」
「有り難うございます」
「生徒の皆さんの為ですから」
見ればケースもある、そこまで出してだった。
今田先生は赤音にサングラスを差し出した、そして赤音もそのサングラスを受取ったのだった。これも一つの物語のはじまりだった。
第二百二十四話 完
2020・1・6
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