八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百六十一話 打ち上げの時にその十一
「コーランだとね」
「聖書程はだね」
「というかお吉さん預言者に救われて」
コーランでは困っている人は大抵そうなる。
「改宗するよ」
「イスラムにだね」
「いじめていた人達もね」
「反省させられて」
「それでね」
この後の展開も決まっている。
「改宗するよ」
「そうなるんだね、コーランは」
「そして預言者の人も」
主人公であるこの人達もだ。
「苦難を前向きに乗り越えて」
「それでハッピーエンドね」
「そうなるから」
だからだというのだ。
「お吉さんもそうなったらよかったね」
「そうだね、預言者みたいな人がいてくれたら」
コーランに出て来るだ、僕はムスリムじゃないけれど今はそう思った。
「救われただろうね」
「コーランだと手を差し伸べてその手を掴めない人がいたら」
「差し伸べる人が、だよね」
「もっと身を乗り出すか」
それかというのだ。
「身体全体で掴んで」
「そうして助け出すね」
「そうするからね」
「コーランって前向きだからね」
「不屈の人達ばかり出て来るよ」
苦難は乗り越えるもの、挫折をしても次の成長の為のステップに過ぎない。そして結末はハッピーエンドだ。
「ムーサーもスレイマーンもね」
「皆だよね」
「前向きに乗り越えて」
苦難をだ。
「目指すものを手に入れるんだ」
「だからお吉さんもだね」
「いい結末になるよ」
まさにというのだ。
「絶対に」
「コーランはその辺りいいよね」
「有り難いだけじゃなくて面白いよ」
コーランというものはというのだ。
「本当にね」
「人間は弱くても」
「前向きであれば」
「いいこともあるからね」
それでというのだ。
「お吉さんはね」
「弱い人だったけれど」
「色々お話したけれど」
「色々思ったけれどね」
「結論としては」
一つしかなかった、それは。
「もうね」
「救われるべきだったね」
「そうだよね」
「他にないよ」
僕達の意見は同じだった、そして。
アタクルク君は考える顔になって僕に話した。
「異教徒でもね」
「ああ、お吉さんは日本人だからね」
当時のだ。
「神様や仏様の人で」
「ハリスさん達はキリスト教徒だったから」
特にハリスさんがだ、この人は本当に熱心な信仰を持っていてその為に属している宗派の教えを守って一生結婚しなかった程だったらしい。
「異教徒だね」
「異教徒でも改宗すれば」
それでなのだ、イスラムは。
「いいからね」
「そうだよね」
「確かにイスラムでも民族や人種や宗派の問題はあるけれど」
それでもというのだ。
ページ上へ戻る