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夢幻水滸伝

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第百二十六話 ドラゴンと陣その四

「こうしてな」
「そやな」
「僕やったらリーに勝てる」
「そう確信してやな」
「シェリルちゃんには綾乃ちゃんを向けてな」
「綾乃ちゃんやと勝てるからやろ」
「そうしたし」
 それにと言うのだった。
「リーには僕や」
「そうしたな」
「そや、けどな」
「苦戦してるな」
「十絶陣、難儀な神具やな」
「十絶陣に隙はない」 
 そのリーが言ってきた、神船の甲板の上に悠然と立っている。そのうえで芥川に対して言ってきたのだ。
「全ての陣を私の周りで動かせば絶対の守りとなる」
「ああ、それこそ何百万の軍勢でもやな」
「如何な猛者やモンスターでもだ」
 個々でどれだけ強い相手でもというのだ。
「それぞれの陣に入れば死ぬ」
「そうなるな」
「確実にな、その陣に勝てるか」
「勝てると言えばどうする」
「それを見せてもらう」
 あえて強気の笑みで言ってきた芥川にだった、リーは毅然とした態度のままでそのうえでこう言葉を返した。
「ならばな」
「無理だとか言わんのやな」
「私は君を知っているつもりだ」
 リーは胸を張ったまま答えた、毅然としているが傲慢ではない。
「それ故にだ」
「侮らずにか」
「こう言ったのだ」
「僕を認めてるんやな」
「そうだ、ではどうして破る」
「それは今考え中や」
 これが芥川の返事だった。
「それを今から見せるわ」
「そうか、なら見せてもらおう」
「そうさせてもらうわ」
 こう言ってだった、芥川はリーが放ってきた流星を狐に乗って素早く前後左右に動いてかわした。そうしてから狐に言った。
「生きていたらになるな」
「おい、今のはな」
「危うかったな」
「わしやないとな」 
 狐はそれこそと己の主に話した。
「そして自分やないと」
「かわせんかったわ」
「ほんまにな、ただな」
 狐はここで鋭い目になり芥川に問うた。
「自分はリーに勝てる」
「そう確信してるからや」
「一騎打ちを挑んでるな」
「そや」
 芥川は狐にはっきりとした声で答えた。
「その通りや」
「そやな」
「策はある」
「自分のとこの元総理の腹案やないな」
「あんなよおわからん奴と一緒にしたらあかん」
 鳥の様な名前の自分が何を言っていいのかさえ全くわかっていない禁治産者ではないかとさえ言われている様な輩と、とだ。芥川は狐にここは真面目に返した。
「あいつは冗談抜きであかん」
「自分の世界の日本で一番ええ大学出てるんやろ」
「しかも元学者やった」
「こっちの世界で言う科学者やな」
「それやったが」
 それがというのだ。 
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