麗しのヴァンパイア
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第二百二十一話
第二百二十一話 やはり眼鏡の方が
春奈は眼鏡のままでいることにした、それからは何も言うことはなかった。それで学校でも生活を送っていたが。
時々眼鏡を外した時にクラスメイト達に言われた。
「春奈ちゃん目奇麗よね」
「大きくてきらきらとして」
「凄く可愛いわよ」
「整った目してるわね」
「そうなの?私は別に」
春奈はその眼鏡を外した顔で友人達に応えた。
「そうはね」
「思ってないの」
「春奈ちゃん自身は」
「そうなの」
「私自分が可愛いとかは」
その様にとはというのだ。
「思ってないけれど実はね」
「実は?」
「実はっていうと」
「暫くコンタクトにしようかって考えていたけれど」
それでもというのだ。
「結局眼鏡にしたの」
「そのままでいることにしたの」
「コンタクト止めたの」
「眼鏡にしなかったの」
「コンタクトって目に入れるから」
だからだというのだ。
「怖いから」
「ああ、それね」
「コンタクトって確かに目に入れるからね」
「怖いわよね」
「ずっと目に入れたら目を傷めるのよね」
「そう言われてるし」
「だからね」
値段のこともあるがこれは言わなかった。
「それで眼鏡にしたの」
「そうだったのね」
「春奈ちゃんそうしたの」
「眼鏡のままでいることにしたの」
「そうだったの」
「そうなの、それでよかったと思ってるわ」
春奈は今の自分の感情も述べた。
「そうは思ってるの」
「眼鏡のままがいいって」
「そう思ってるの」
「コンタクトにしなくて」
「ええ、奇麗かどうかはともかく」
正直そのことは春奈には実感がなかった。
「眼鏡のままでいてよかったわ」
「じゃあこれからもなの」
「眼鏡でいくのね」
「そうするわ」
こう言ってまた眼鏡をかけた、そうして春奈は今も眼鏡で頑張るのだった。
第二百二十一話 完
2019・12・29
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