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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百六十話 炎を見ながらその十

「そしてね」
「そのうえで軍事もやるのね」
「軍師としてね」
「もう両方ね」
「そう、もう両方ね」
「そう言うとスーパーマンみたいね」
「文字通りチートなね」
 まさに万能キャラだ、一騎打ちは出来ないけれどだ。
「そんな風になってて妖術というか仙術みたいなのを使う場面もあるけれど」
「実際にそういうのは知ってたんでしょ?」
「占いとかはね、当時の軍師はそっちも仕事だから」
 兵法の知識を活かして戦うだけでなくだ。
「知っていたけれど使うことはね」
「出来なかったのね」
「もうあそこまでいくと仙人さんだから」
 演義の孔明さんはだ。
「だからね」
「実際は違うのね」
「そうだったと思うよ、とにかく孔明さんは実際は」
 仙術は使わないし万能な人でもなかった。
「大久保さんみたいな立場だったんだ」
「宰相ね」
「確かに最初は軍師だったけれどね」
 このことは事実でもだ。
「そうだったんだよ」
「そこは意外ね」
「そして大久保さんと井伊直弼さんは」
 この二人はだ。
「直接的には関係なかったよ」
「薩摩藩とは関係あったわね」
「島津斉彬さんと対立していたしね、井伊さんは」
 それで関係があったと言えばあった。
「全面的にそうなる前に斉彬さん死んだけれど」
「急死よね」
「暗殺説もあるよ」
「それ井伊さんがしたの?」
「そう言われてるけれどね」
 斉彬さんを特集しているクラスではそう書かれていた。
「けれど実際はわからないよ」
「井伊さんが暗殺したか」
「若しくは本当に病気だったか」
 チフスだったという、この病気自体は当時の日本では結構あった。
「そこはわからないけれど」
「何はともあれ斉彬さんが死んで」
「全面対決にならないでね」
 斉彬さんは薩摩藩から兵を出してまでして対決しようとしていたらしい、まさに一触即発だったのだ。
「大久保さんもね」
「井伊さんとは直接は、なのね」
「対決しなかったんだ」
「関係もなかったのね」
「安政の大獄の間西郷さんは死んだことになってたから」
 実際にある僧侶の人と共に死のうとして西郷さんだけ生き延びた。
「大久保さんも薩摩で次の動きに備えて雌伏していたんだ」
「手は打っていたのね」
「薩摩藩の中でね」
 自分が薩摩藩を動かして幕府に対することが出来る地位に就くと共に西郷さんを呼び戻す為にだ。やっぱりトップは西郷さんしかいないからだ。
「そうしていてね」
「時を待っていたのね」
「どんな状況でも」
 大久保さんの狙い通りにことを進めることは不可能ではないかという状況でもだ、それこそ一歩間違えると大久保さん自身が切られる様な。
「ことを進める様にしていたんだ」
「そうだったのね」
「だからね」
「大久保さんは井伊さんとが直接関係なかったの」
「うん、ただ敵対する立場にはね」
「あったのね」
「大久保さんは幕府と対していたから」
 このことは西郷さんと同じだ。 
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