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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百六十話 炎を見ながらその五

「どうもね」
「いいことを書く人がいないのね」
「滋賀県も広いからね」
「彦根だけじゃないから」
「長浜も草津もあるし」
「比叡山もよね」
「あそこも滋賀県だし」
 京都府じゃなくてこの県にある。
「それと近江八幡もあるし」
「結構あるわよね」
「あと評判の悪い大津市だね」
「ああ、あそこね」
 詩織さんも大津市と聞いて嫌な顔になった、そのうえでの言葉だった。
「あそこはね」
「いじめのせいでね」
「いじめのメッカとか言われてるわね」
「僕達のいる神戸も評判悪いけれどね」
「先生同士のことで」
「それ言ったら関西全体がどうかとなるけれど」
 奈良県もおかしいと聞いているし実際にその様だ、洒落にならない暴力教師が普通に大手を振って歩いているという。
「けれどそれ抜きにしてもね」
「大津市はね」
「評判悪いからね」 
 いじめのせいでだ。
「どうしても」
「それは否定出来ないわね」
「その大津市もあって」
 それでだ。
「彦根もあるから」
「色々ね」
「うん、それでね」
「彦根はその一部ね」
「彦根藩は大きかったけれど」
 三十五万石、譜代大名ではダントツに大きかった。譜代大名は大抵そこまで大きくなかった。井伊家は例外だったのだ。
「それでもね」
「近江、滋賀県の全部じゃなかったのね」
「そうなんだよね」
「だから滋賀県でもなのね」
「他の地域だと」
 その滋賀県のだ。
「評判はよくないと思うよ」
「そうなのね」
「むしろね」
 僕は笑ってこうも話した。
「ひこにゃんの方がね」
「人気あるわよね」
「絶対にね」
 井伊直弼さんよりもだ。
「愛嬌あって可愛いし」
「伊達にゆるキャラでも古参じゃないわね」
「うん、けれどね」
「井伊直弼さんはね」
「愛嬌ないからね」
 勿論可愛くもない。
「そういう要素とは無縁だから」
「それも全くね」
「愛されない人だよ」
 その行いが理由の第一なのは言うまでもない。
「どうしてもね」
「本当に政治家として世に出るべきじゃなかったのね」
「殿様になってね、せめてね」
「せめてっていうと」
「小さくて格式もそれ程じゃない藩だったら」
「殿様になってもよかったのね」
「まだね、まあ長州藩の殿様なんか」
 幕末のだ。
「何があっても首を縦に振ってね」
「ああ、そうせいね」
「万事そうせい候だったから」
「それがかえってよかったのよね」
「藩主は絶対だから」
 お殿様だけあってだ、トップであり最高のお神輿だ。
「その自分に何かあるとね」
「藩は大変ね」
「だから長州藩も色々あったけれど」
 それでもだ。 
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