八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百五十九話 思わぬ人その十
「私の今のお話の意味でね」
「残酷って意味でだね」
「そう、そこまで残酷なのがね」
まさにというのだ。
「女の人なのよ」
「そうなんだね」
「そんなことされたら一生覚えてるわよね」
「トラウマになるよ」
もう絶対にだ。
「それこそね」
「そこまでのことをするのがね」
「女の子で」
「その人女の人らしいわ」
「反省していても」
今はだ。
「その人にそうした一面があることは事実ってことだし」
「本性なんでしょうね」
残酷なそれがというのだ。
「自分で後に気付いても遅いのよ」
「厳しい言葉だね、けれどね」
「けれど?」
「教会の娘さんが言ってたけれど」
この人からはこうした話も教えてもらった。
「娘さんの高校の後輩の人がその人に直接言ったらしいんだ」
「残酷とか?」
「そんなことしたら駄目に決まってるとかね」
教会の娘さんが言うにはかなり冷たく言ったらしい、本人に直接。
「やってからじゃ遅いとかね」
「本人さんに言ったのね」
「みたいだよ、後悔してもね」
そうしたことをした後でだ。
「詩織さんjが言った様に残酷ともね」
「言ったのね」
「言われた方はたまらないからって」
「それを直接本人さんに言うのは」
「教会の娘さん怒ってたよ」
後輩の人にだ、何でも僕達と同級生らしい。
「先輩に失礼なこと言うって」
「娘さんにとってはその人いい先輩なのね」
「何でも凄く優しくて公平でね」
そして奇麗だとも言っていた、髪の毛は茶色がかっていてふわりとした感じで目はきらきらとしていてお肌は白いらしい。
「とてもいい人だって言ってたよ」
「それも一面でしょうね」
「いい一面もあるんだね」
「人間完全な悪人ってそうそういないでしょ」
「まあね」
屑と呼ぶにも値しない屑は確かにいる、けれどこんな生きているだけで世に害を為すレベルの奴はそうはいない。
「それはね」
「だからその人もね」
「残酷であっても」
「ちゃんと反省してね」
「優しくて公平な一面もあるんだね」
「そうよ、確かに女の子は残酷だけれど」
この一面は否定出来なくてもというのだ。
「やっぱりね」
「いい一面だってあるよね」
「だって子供育てるから」
生んでそうしてだ。
「お父さんもそうするけれど」
「やっぱり女の人がね」
「だって生むから」
子供をだ。
「だから第一にいるでしょ」
「子供の傍にね」
「だったらね」
「優しくないとね」
「いけないから」
小さい子を慈しむ、その心がなければだ。
「だからよ」
「それでだね」
「優しい一面もあるのよ」
「残酷と優しいじゃ正反対だね」
聞いていて心から思った。
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