八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百五十九話 思わぬ人その六
「あと家に抗議の電話とかいやがらせとか」
「ゲリラ豪雨みたいにきて」
「もう日常生活送れなくなるから」
「お外にも出られなくなるわね」
「それで自業自得って言われるから」
一年の時の同級生だった脇田君がそうした連中をよくツイッターで晒していた、彼は今もそうしているけれどこうした奴を許すと駄目だと言って住所も実名も晒す。それが晒された人間の人生にどう影響するかもわかったうえで。
「まあ実際にね」
「自業自得よね」
「そこまで奴いるよ」
男子でもだ。
「滋賀県の連中とかね」
「あの自殺した」
「いじめられた相手がね」
「あの連中は確かに酷かったわね」
「もう事件から何年も経ってるけれど」
十年は経っているだろうか。
「普通にネットで晒されてるからね」
「それじゃあもう一般生活出来ないわね」
「晒す相手は本気で連中の人生潰しにかかってるから」
悪党の人生なぞ知ったことかとなってだ。
「そうした相手に一生ネット上でつきまとわれる」
「そこまでの人いるわね」
「うん、けれど女の子は」
「そうした人達に輪をかけてね」
男のいじめっ子連中よりもというのだ。
「酷いのよ」
「そうなんだね」
「だから女の子はね」
「男子より残酷ってことは」
「覚えておいてね」
「そうなんだね」
「世界史でも呂后っていたじゃない」
詩織さんはこの人の名前も出した。
「漢の高祖の奥さんの」
「ああ、あの人だね」
「授業で先生言ってたじゃない」
「自分と息子さんの地位を脅かした人にね」
「物凄いことしたでしょ」
漢の高祖が寵愛した別の人とだ、当時は立場のある人は普通に側室がいた。皇帝ともなればそうした人の数は相当なものになった。
「人豚なんて」
「あれは酷いね」
両手両足を切って喋れなくして聞こえなくして目も潰した、そのうえで当時排泄物を食べさせて餌としていた豚小屋に放り込んだのだ。
「確かに」
「ああいうの見てわかるでしょ」
「女の子の方が残酷なんだ」
「いじめだってね」
「そうなんだね、そういえば」
ここで僕が思い出したことがある、それはどんなことかというと。
「さっき天理教の話したけれど」
「教会がどうとかね」
「八条分教会の娘さんね」
長女さんだ。
「今大学生だけれど」
「大学でもいじめあるとか」
「その人が高校一年の時にね」
この人が実家つまり教会に帰ってきた時に教えてもらった話だ。
「寮の同じ部屋だった三年の人の話なんだ」
「寮のなの」
「その人奈良の学校行っててね」
天理教の学校だ、将来教会を継ぐのでそちらの学校に通っていたらしい。
「そこの寮の先輩の人だったんだ」
「その人がいじめしていたの」
「相手は男の人だったらしいけれど」
「あっ、男の子相手でも女の子は集団でいじめにかかるから」
詩織さんは僕の話をすぐに察してこう言ってきた。
ページ上へ戻る