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ヘタリア大帝国

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TURN32 奇襲その三

「本当に気をつけてね」
「はいはい、わかったわよ」
 ここではむっとした顔で返すキャロルだった。そうした話もあった。 
 その中でだ。ルースは言うのだった。
「後は。日本が攻撃してきたなら」
「マニラにいる艦隊はね」
 ハンナがこのことについても話す。
「今は休暇中ね」
「皆楽しくバカンスに興じているぞ」
 アメリカがハンナに話す。
「そうしているからな」
「そう。じゃあ臨戦態勢には入っていないのね」
「今から僕が言って言おうか?」
「どうしたものかしら」
 何故かここでだ。ハンナはというと。
 少しの間考える顔になり視線を動かしてからだった。こう言ったのだった。
「どのみちマニラは一旦陥落してもらうけれど」
「そして東南アジアだな」
「ええ。予定通りね」
 日本帝国に攻めてもらうつもりだというのだ。東南アジアもまた。
「そうしてもらうから」
「なら備えはどうするんだ?」
「今マニラもマイクロネシアもバカンスで」
 しかもだった。
「ソロモンにも大した兵力を置いていないわね」
「今攻められたら終わりだよ」
 アメリカ妹も言う。
「あっという間だよ」
「ええ、それならもうこのままでいいかしら」
 ハンナは考えてから述べた。
「下手に戦うよりはね」
「じゃあ一次撤退か?」
「無理はしないで」
 ハンナは実際にマニラに赴くアメリカに告げた。
「こう伝えて」
「わかった。それじゃあな」
「さて、後は」
 ここでハンナは話題を変えようとしてきた。
「医療政策ね」
「そのことへの予算のお話もするのね」
「そうよ。クー、あの見積もりは」
「できてるわ」
 こう言ってすぐにだ。クーは自分の席の上に一冊の厚いファイルを出してきた。そのファイルをハンナに渡してから言うのだった。
「これだから」
「見させてもらうわね。問題は予算ね」
「結論から言うと予算は」
「上手くいったのかしら」
「ええ、大丈夫だったから」
 クーはハンナに答える。
「後はハンナでもチェックしてみて」
「そうさせてもらうわね」
 こうした話をしていた。彼等は戦争が間も無く行われることはわかっていた。
 だがそれが何時かはわからずだ。今はこうした福祉政策のことも話していた。 
 その彼等のところにだ。驚くべき使者が来たのだった。
「プレジデント、祖国殿おられるでしょうか」
「むっ、何だね」
「何かあったのか?」
 ルースとアメリカが急いできたと言う感じで額にうっすらと汗を書いている背広の役人に尋ねた。
「まさかと思うが」
「遂になのか?」
「日本大使館から来ました」
 役人はそのまま述べていく。
「何と日本本人が」
「何っ、日本がなのか」
 これにはアメリカも驚く。
「ということはまさか」
「まずいわね」
 ここでだ。ハンナは思わず歯噛みした。
 
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