八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百五十九話 思わぬ人その三
「そうしたお酒もあったんだよね」
「それ飲んでじゃないの?」
「そうかもね、しかしね」
「しかし?」
「いや、その人倒れただけで」
「死んではいないのね」
「うん、暫くどうなるかだったらしいけれど」
それがだ。
「命に別状はなくてお祖父ちゃんが言うには目もね」
「あっ、メチレンって目にも悪いから」
「失明する危険あるんだよね」
飲むとそれでだ。
「あれは」
「それで目もだったのね」
「大丈夫だったらしいわよ」
「それは何よりね」
「じゃあこのお話は」
「飲み過ぎっていうか」
「悪いお酒のことだね」
言われてこう思いなおした。
「流石にそこまで飲むならね」
「周りが止めるでしょ」
「見回りの先生もいるしね」
そしてお医者さんもいる。
「だからね」
「そうよね」
「そうだね、まあけれどね」
「飲み過ぎ自体には注意ね」
「やっぱりね」
結局こうなる、お酒はとにかくこのことがいつも問題だ。
「だからあらためて言うけれど」
「お酒については」
「飲み過ぎないでね」
「わかったわ」
詩織さんも僕の言葉に頷いてくれた。
「飲むけれどね」
「それでもね」
「気をつけるわ」
「そうしてね」
「わかったわ、けれどね」
「飲むことはだね」
「飲むわ」
返事はこれしかないという感じだった。
「明日日曜ならね」
「最初から二日酔いになる前提で」
「飲むわ、そして二日酔いになったら」
その時はというと。
「学校のお風呂に入って」
「そこですっきりして」
「八条荘に帰るわ」
「今日は帰らないんだ」
「多分ね、しこたま飲むつもりだから」
急性アルコール中毒にならない位にというのだ。
「そうなるわ」
「そうなんだ、まあ今日お家に帰る人はね」
「少ないわよね」
「殆どいないよ」
「お酒飲んで」
「そうするからね」
それこそ皆だ。
「だからね」
「そうよね、じゃあね」
「飲んでそして」
「帰らないわ」
そうするという返事だった。
「明日よ、明日起きて」
「それからだね」
「帰るから」
「じゃあ僕もね」
「今日は八条荘に帰らないのね」
「飲むよ」
詩織さんに笑って答えた。
「そうするよ」
「じゃあ一緒に飲む?」
僕に笑って誘いをかけてくれた。
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