夢幻水滸伝
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第百二十四話 台風とその三
「大砲は正面に集中させて」
「そのうえで」
「集中砲撃を浴びる」
「そうした戦術やな」
「大砲の数もこちらは敵の六倍以上です」
これだけの数の大砲を備えているというのだ。
「それならです」
「その大砲を正面に集めると」
「かなりの数なので」
「敵の星のモンが多くてもな」
「これならです」
まさにというのだ。
「勝てます」
「徹底的な砲撃やとな」
「星の人が少なくとも」
「いけるな」
「それがリーさんの策です」
「リーさんは四智星の中で一番の学識と教養の持ち主」
テレサはこのことを冷静な顔で私的した。
「それだけに戦術も詳しい」
「そうなんよね」
テレサの今の指摘にはズーが同意した。
「これが」
「術やとシェリルさんで」
「やっぱり智恵はリーさんやね」
「政でもどれだけ助けられたか」
「そう思うと」
「あの人の策に従うと」
まさにというのだ。
「勝てる」
「その通りだ」
「それであたくし達はやってきたし」
南洋の者達はというのだ。
「それだけにな」
「今回のリーさんの策に従って」
「戦っていこうな」
四人はこうした話をしていた、そして実際に無何有郷は日本に向かうその方向に大砲を集中させていた。
その大砲を見てだった、ハリムは共にいるマーガレットに話した。
「いや、苦労して置いたけど」
「これだけの大砲があれば」
「しかもそこそこの大砲やし」
「日本に技術的に劣っても少しやし」
マーガレットもその大砲達を見て言う。
「これだけの数やと」
「もう砲撃だけでな」
「日本にかなりの打撃を与えられるわ」
「そやな」
「そう、この数で撃てば」
ティンもいる、そうして真剣な顔で言うのだった。
「絶対にいける」
「そやな」
ハリムはティンの言葉にも賛成の言葉で応えた言った。
「数や、やっぱり」
「戦はな」
「そして頭や」
「それがし達はその二つを持ってる」
ティンはハリムに強い声で応えた。
「それで負けるか」
「もう答えは出てるな」
「まさに」
「そやったらな」
「日本が台風の力を吸収しようとして戸惑ってる時に」
「圧倒的な砲撃で打撃を与えて」
「そこからこの兵力で倒すんや」
四百万の兵でだというのだ。
「まさに」
「その後で」
アミンもいて会話に加わった、移動要塞の岸辺には大砲が上下数段に渡って横一列に連ねられていて実に壮観だ。
「僕達は切り込む」
「四百万の兵でな」
「それで勝てるわ」
「確実にな」
「戦は数」
チュットはこう言った、場にいるのは南洋の地の星の者五人である、五人共岸辺の大砲達を点検しているのだ。
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