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ヘタリア大帝国

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TURN31 開戦その二

「君は提督になるつもりはないか?」
「提督!?」
「そうだ。提督にだ」
 それにだ。ハニートラップを誘ったのである。
「それになるつもりはないか?」
「何言ってるのよ。あたしは確かに軍人だけれど」
 またむっとした目になってだ。ハニートラップは言い返した。
「艦隊指揮とかはね」
「専門外か」
「あたしは諜報員よ」
 むっとした目のままだ。ハニートラップは言っていく。
「それで艦隊指揮って」
「香港さん達が愛を注いでくれるんだがな」
「それで指揮能力とかがあがるっていうのね」
「そうだ。安心していい」
「ちゃんと戦艦とか指揮できるようになるのね」
「こういう時に国家が多いと助かる」 
 実際にそのことにはだ。東郷は心から感謝していた。
「だからだ。どうだ」
「本当にあたしを提督として雇うのね」
「そうだ。香港さん達に愛情を注いでもらいだ」
 原始の八人とその妹は五回、他の国は三回ずつそれが可能だ。
「そのうえでだ」
「まあそこまで言うんならね」
「ではいいな。君は今日から日本帝国軍の提督だ」
「正直できるかどうかわからないけれどね」
 だからだと言いながらもだった。
 ハニートラップも提督になった。日本帝国軍はまた一人提督を手に入れた。そうした中でだ。
 リンファとランファは日本本土に入っていた。南京からだ。
 そのうえでだ。場の緊張した空気を感じ取っていた。その空気を読みながらだ。
 リンファは眉を曇らせてそのうえでこうランファに尋ねた。
「近いみたいね」
「そうね。開戦ね」
「ええ、近いわ」  
 ガメリカとの間の開戦、それがだというのだ。
「間違いなく。数日のうちにね」
「なるわね。だからあたし達も呼ばれたのね」
「とりあえず南京には日本帝国に元からいる人達が入ったわ」
 言うなら背景の如き提督達がだ。
「南京、重慶方面も守りはあの人達が受け持って」
「あたし達はなのね」
「全軍でガメリカとの戦いに入るわね」
「みたいね。ガメリカねえ」
 ランファはガメリカとの開戦については微妙な顔を見せた。 
 そしてそのうえでだ。こうリンファに言うのだった。
「あたしはあまり気が進まないのよね」
「やっぱりあれ?金髪だから?」
「そうなのよ。やっぱり男は金髪でしょ」
「相変わらずね。そうしたところは」
 リンファはやや呆れた顔になってランファに突っ込みを入れた。
「けれどこの状況だとね」
「言ってもいられないわよね」
「そう。ランファにとっては残念だけれどね」
「それはあたしもわかってるから」
 ランファもだというのだ。
「だからちゃんと戦うから安心してね」
「そうしてね。それにガメリカだけでなくて」
「エイリスもいるわね」
「エイリスについてはどうなのかしら」
「あっ、全然大丈夫だから」
 エイリスについてはだった。ランファは明るく返すことができた。
「というかさっさと太平洋から出て行けって感じ?」
「それは私も同感よ」
「何で欧州の連中が太平洋に来てるのよ」 
 ランファはその可愛らしい唇を尖らせてリンファに言った。
「しかも植民地になんかして」
「私もそれは間違ってると思うわ」
「でしょ?共有主義の立場からも」
「まだ資産主義には拒否するものがあるけれど」
 だがそれでもだとだ。リンファは言うのだった。
「それでも」
「そうそう。植民地なんて言語道断よ」
「私はガメリカは好きではないけれど」
「エイリスはもっとなのね」
「大嫌いよ」
 ただ嫌いというのではなかった。
「あの両国だけはね。どうしてもね」
「そうよね。それじゃあね」
「エイリスとの戦いに躊躇はしないかわ」
 また言ってだ。そのうえでだった。 
 二人は港で自分が率いる艦隊の整備や補給を見ていた。まだ魚がかなりの割合を占めている艦隊は他の国々のものから見れば歪だ。だがそれが今の日本艦隊だった。
 
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