八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百五十八話 キャンプファイアーその八
「フィンランディアですね」
「クラシックのね、いい曲だよね」
「最初は暗いですが」
何か重くてだ。
「それがね」
「明るくなりますね」
「急にね」
まるで雪解けみたいにだ。
「それで勝利を祝うみたいな」
「そんな明るい曲になりますね」
「いい曲だよね」
「あの曲もあの頃に出来ていますよね」
「そうなんだよね、それであの時のフィンランドの人達が」
ロシアに支配されて独立する頃のだ。
「日本を見てね」
「励まされましたね」
「日露戦争で日本がロシアに勝ったのを見てね」
「それで、でしたね」
「ロシアから来ている子達にはちょっと言えないけれどね」
友達もいるしだ、尚どうもロシアから来た子は素朴で無欲で親切な子ばかりあ。ロシア人の国民性らしい。
「あの戦争で日本が勝ったのを見て」
「フィンランドは日本が好きでしたね」
「それもかなりね」
「このことは有名ですよね」
「うん、よく知られてるね」
「あの頃活躍した東郷さんは」
東郷平八郎さんだ、言わずと知れた当時の連合艦隊司令長官で日本海海戦の英雄だ。
「あちらでも有名で」
「ビールの柄にもなってるんだよね」
「そうですよね」
「今回の文化祭には関係あるかっていうと」
このことはだ。
「ちょっとね」
「言えることは言えますよね」
「戊辰戦争に参加しているからね」
明治政府の軍艦に乗って函館の戦争に参加していたのだ。
「維新の頃はイギリスに留学していたけれど」
「それで西南戦争には参加されていないですね」
「西郷さんの死を聞いて泣いて自分も参加したかったってね」
勿論西郷さんの方にだ。
「言っていたんだ」
「それでは」
「あの頃に生きていた人でも」
「あまり関係はなかったですね」
「関係あるのは日清戦争と」
「その日露戦争ですね」
「この二つの戦争でね」
東郷さんといえばだ。
「有名だよ」
「そうでしたね」
「だからね」
「今回の文化祭とはですね」
「あまり関係ないんだ、だからね」
その為だ。
「あの人は今回の文化祭で特集とかやってるクラスはないんだ」
「題材にもなっていないですね」
「また別だよ」
あくまでだ。
「あの人はね」
「後の時代ですね」
「そうだよ」
「後の時代の英雄ですね」
「日本の歴史でもかなりの英雄だね」
もう海上自衛隊では神格化さえされている位だ、江田島でも三笠の艦橋にいるその姿が描かれた絵が飾られている。
「世界的にもね」
「そう思われていますね」
「というか世界だと」
海外ではだ。
「日本の英雄というと」
「まず出て来る人ですね」
「幕末だと龍馬さんや西郷さんが出るけれど」
「そうした人達は」
「海外では東郷さん程はね」
この人位にはだ。
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