ヘタリア学園
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第二百九十一話 幼い日の出会い
第二百九十一話 幼い日の出会い
イギリスがアメリカを呼びました。それから少し経ってから部屋の扉が開いて。そこから出て来たのはカナダによく似た小さな子供でした。
「んっ?何だいイギリス」
「う・・・・・・うわあ!」
カナダは不覚にも彼を見て思わず叫び声をあげてしまいました。
「来たあああああああっ!」
「あれっ、君は」
アメリカは彼に気付いてすぐに側にやって来ました。カナダに比べるとずっと活発なのはどうやらこの時からのことだったようです。
「僕と同じ顔なんだね」
「う、うん」
戸惑いながらアメリカに答えました。
「はじめまして」
「こちらこそ」
挨拶はしっかりと済みました。
「僕は英領カナダです」
まずはカナダから名乗ったのでした。
「宜しく」
「うん、宜しく。僕はアメリカ」
何故か英領というのが抜けています。
「宜しくね」
「あの、君が僕の」
カナダはさらに言おうとします。けれどアメリカはもう飽きてしまっていました。この頃からアメリカはアメリカだったようです。
「イギリス!お腹が空いたぞ」
「そうか。じゃあ何か作ってやるよ」
「あっ・・・・・・」
一人置いてけぼりにされたカナダでした。当然イギリスも彼の存在を忘れていたのでした。その時のことを思い出してカナダは呟くのでした。
「御免、やっぱり昔からこうだった・・・・・・」
何処までも目立つことのできない星の下にいるカナダなのでした。
第二百九十一話 完
2008・8・23
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