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ヘタリア学園

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第二百九十話  ロシアじゃないよ

第二百九十話  ロシアじゃないよ
 カナダは寒いですがとても広くて色々な動物達がいます。けれどその動物達は実はある国の動物達と同じ種類のものがとても多いのです。これは気候のせいとかつてその国とは地続きだったせいであります。生物学的には中々興味深いことではあります。そしてその国とは。
「クズリいるよね」
「うん」
 カナダはロシアの質問に対して答えます。彼がふと尋ねてきたのです。素朴に。
「ヘラジカいるよね」
「うん」
「狼もいるよね」
「いるよ」
 そうした動物達が一杯いるのがカナダです。
「あと北極には」
「シロクマとかホッキョクギツネとかアザラシとかが」
「何だ、やっぱり一緒だね」
「えっ、一緒って!?」
「カナダ君は僕の家で住むべき人なんだよ」
 にこやかに笑ってカナダに言います。カナダにとっても恐ろしいことこの上ない言葉です。それで真っ青になってロシアに尋ねます。
「それってどういう意味!?」
「だって住んでる動物達が一緒じゃない」
 ロシアの言い分はこうなのでした。
「だからさ。だったら僕の家においでよ。動物達も一緒だし楽しいよ」
「いや、それはアメリカが」
「アメリカ君のことは気にしなくていいからさ。さあ」
「お断りしまーーーーーーーーーーす!」
 慌ててその場からダッシュで逃げるカナダでありました。実はロシアはこういうことは誰にでも言ったりするものですがカナダには耐えられなかったのです。もっともロシアにこう言われて真っ青にならない人もいなかったりするのでありますが。それでも寒いのにサウナの中に三十分はいたかのように不健康極まりない汗をかいてしまったカナダなのでした。本当にカナダの周りには彼がいて欲しいような人はあまりというかほとんどというか下手をしなくても全然いないか気付いてもくれないのでありました。
「死ぬかと思ったよクマ七さん」
「じゃあ僕は投げられてホームランボールを捕るのかい?」
「御免、間違えた」
 ついでにまたクマ二郎さんの名前も間違えてしまうのでした。

第二百九十話   完


                                  2008・8・22
 
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