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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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第二部~雅、結婚騒動~
  第26話『溢れる思い出』

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「あの時は、ディスペアドライバーの機能を覚えていてくれたフェイトに感謝している。」
「感謝だなんて、大袈裟だよ。」
「だけど、この世界に奇跡が起きて…」
雅とフェイトは、その後の戦いを思い返す。

【FORM RIDE-DELOAD LIGHTNING-】
“グゥゥゥグオォォォォォウ!”
「そんな!なんてパワーだ。」
“グオォォォォォウ!”
「ねぇ、雅。この世界に、ワールドホープってないの?」
「あるにはあるが、対象は7人で、それに主人公もわからない。」
「雅、私ずっと考えていたんだ。雅の世界は、元から平凡な世界じゃなくて、雅が仮面ライダーになって、困っている世界を救う。そんな世界なんじゃないかって。」
「まるで、僕がこの世界の主人公みたいな言い方だな。」
「私は、そのつもりで言ったよ。きっと、この世界は雅が主人公なんだよ。そうじゃなかったら、雅は仮面ライダーになって、私達を救うなんて出来ないよ。」
「仮にそうだとしても、この7枚のカードはどう説明がつく。僕達チームディロードは6人しかいない。」
「多分、その最後の一枚は、流夜の分だと思う。」
「流夜の分だとすると、もう使うことが出来ないだろう。だって、流夜はこの手で殺してしまったんだ。」
「雅、死者にワールドホープを叶える力ってないの?」
「一度もそんな事態に陥ったことがないからわからない。それに、そんなことは、死者への冒涜になる。」
「その願いを叶えるなら、それは冒涜じゃないと私は思う。」
「フェイト……わかった。みんな、このカードに、願いを込めてくれ。そうか、僕が主人公か…集え!世界の願い!このカードに、全てを賭ける!」
【WORLD HOPE-ALL WORLD-】
「何故このタイミングで、次元のオーロラが!?」
「ここは、一体?」
「一体何がどうなっているんだ?」
「フィリップ、事態が解らない。検索してくれ。」
「おや?どうやら別の国に着いたみたいだ。」
「どうも、アリスゲームは一時中断する方がいいみたいね。」
「本郷さん、翔太郎さん、それにみなさん!」
「君は何故、私の名を?そうか!思い出したぞ。ここが、雅君の言っていた未来の世界か。」
「本郷さん!その通りです。」
「フェイトちゃん!」
「なのは!?はやて!?それにシグナム達も!」
「テスタロッサ、無事か。」
「はい。ただ…」
「なんじゃありゃ!?」
「あれが、このディロードライバーに封印されていた怪物です。あれさえ倒せればきっと、みなさんも安全に帰れると思います。」
「水臭いぜ、雅。お前は俺のダチだ。よし、今度は俺達が、雅を助ける番だ!」
「弦太朗君の言う通りだ!私も力を貸そう。」
「そうだな。どうやら、ここにはモノリスも来ないようだし。始と一緒に戦えるみたいだ。」
「仕方ないわね。」
「みなさん……ありがとうございます!」
【ATTACK RIDE-UNISON-】
[device unison]
【LOAD BARDICHE ASSAULT THRUSTER】
[貴方達二人で変身をして下さい。]
「そうか!僕とフェイトは互いにディロードの変身者。二人が一緒に戦えば、きっと勝てる。フェイト、一緒に戦おう。僕達二人の、本気の全力全開で!」
「うん!」
【FINAL WORLD HOPE KAMEN RIDE-DELOAD LAST HOLY KNIGHT-】

「あの時は、まさか二人で一緒に変身するなんて思ってもいなかったよ。」
「それは僕もだ、フェイト。」
二人は当時の感想を言う。

「行こう、フェイト。このカードで、ディロードドラゴンを倒そう。」
「うん!」
【FINAL WORLD HOPE KAMEN ATTACK RIDE-ALL WORLD-】
「「人を想いを!世界に願いを!未来を繋ぐ、架け橋となれ!ディメンション……」」
【all loading!dimension spinning】
「「スピニング!」」

「あれで、ディロードドラゴンを倒すことはできたけど…」
雅は回想に入る。

「これから、皆さんを元の世界へ帰したいです。僕の所為で、皆さんを巻き込んでしまったので。それでは、行ってきます。」
【ERROR】
「そんな!これでは皆さんを元の生活に戻せない!」
「別に、仕方ないんじゃないのか?」
「クロノ執務官!?」
「先程、日本政府からの声明で、この切り離された土地は、日本領から外すと宣言された。雅、どうやら僕達は帰ることも出来ず、この土地に残らないといけない。それなら、ここを僕達の居住地域にしないかって、様々な世界から提案されている。あとは、この世界の住民である雅が承諾すれば、全て解決だ。」
「もうそこまで話が進んでいたなんて。」
「クロノ君が、国連にも話を持ち込んでいたの。どうする?」
「もし、ここを一つの国家にするとして、政府はどうしますか?」
「無論、雅には初代国家代表になってもらいたい。」
「わかりました。暫定で可能な限りの政府を設立します。それから、第一公用語は日本語のままとして、国家樹立用の紙幣、及び貨幣の製造を行うにあたって、鴻上会長。確か造幣局はありましたね?」
「勿論あるとも!」
「では、通貨に関しては今後詳しく検討を。まずは、書類の提出が最優先です。国家の印鑑も製造する必要があります。それから、融合した世界の確認も行いますので、時空管理局の皆さん、住民の確認を。特に出身世界は慎重にお願いします。さて、もう高校生には戻れないか…」

「あの時は、ここがこんな風になるとは思っていなかったよ。」
「そう。だけど、雅は…」

「あの魔力、消えにくいのか。そうだ、今回皆さんを襲撃している反逆者は僕だ。」
「どうして…なんで私達を襲うの!?」
「皆さんの世界は危険だ。この世界はあなた方ヒーローの存在に耐えることは出来ない。だから、消えてもらう!」
「でも、今までの雅はそんなことしなかった!」
「もう…いい人でいるのは疲れたんだ。」
「えっ…」
「今まで僕は、皆さんの世界を救ってきた。」
「そうだよ。だからなんでその私達を!?」
「今まで救ってきたのは、僕の世界を救うため。だが、今のままでは皆さんの世界は救われて、僕の世界は崩壊を迎える。これは自衛手段なんだよ。」
「そんなの間違っている!」
「間違っているのは百も承知だ。だが、皆さんに消えてもらわないと僕にとっては都合が悪い。だから…」
「雅、どうして……どうして無関係な人達まで!」
「無関係なものか。彼らはこの世界にいてはならない異端。攻撃の対象だ。」
「さて、本当はこれだけいれば大量に手に入るチャンスだが、如何せん多勢に無勢だ。なら、今は撤退して体勢を立て直すか。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
「そんな…雅が、本当に犯人だったなんて…」
「至急、各放送局へ連絡を。次元保護国国家代表、凪風雅の国家代表資格を剥奪、第一級指名手配犯に指定します!」

「あの時、私は本当に悪い人になったと思っていたんだよ!?」
「そうでもしないと、あの時は意味がなかった…」
雅は、フェイトが自身を捕まえようと追いかけて来た時のことを思い返す。

「あとは、雅を捕まえれば、全てが終わる。」
「そういうわけにもいかない。この世界を救う為にも、フェイトには消えてもらう。」
【SUMMON RIDE-RINITH PRECIA TESTAROSSA-】
「まあ、随分と大きくなりましたね、フェイト。」
「どうしてあなたがいるのかしら。邪魔よ、消えなさい。」
「リニス?それに…母さん?」
「リニス、母さん、ごめんなさい。雅を止める為に、私は戦わないといけないの。」
フェイトは魔方陣を展開する。
「リニス、リニスが教えてくれたこの魔法、ちゃんと使えているか、採点して。アルカス・クルタス・エイギアス。疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル。プラズマランサー・ファランクスシフト。撃ち砕け、ファイアー!」
「…よくやりましたね、フェイト。百点ですよ…」
「アリシアは、こんなことをするような子じゃなかった。やっぱりあなたは…」
「プレシア、あの子はフェイトです。あなたが生んだ、二人目の娘ですよ。」
「…雅、私はあなたを許さない。母さんもリニスも、もういない人も利用するなんて。」

「雅、私はあの時のこと、まだ怒っているんだよ。」
「解っている。人の心を抉るような、あんな卑劣なことが赦される訳がない。それに、だからと言って、生者相手になら、何をやっても、いいわけではないことも…」

【ATTACK RIDE-SONIC-】
「もし僕に勝てるなら、これを参考にソニックフォームを強化するといい。」
「雅、その姿は…」
「行くぞ、これがディロードの速さの真骨頂。仮面ライダーディロード ソニックフォーム!」
「雅もソニックフォームを使えたなんて…」
「カルテットバインド!」
「しまった!」
「フェイト、魔導師には 最大出力があるのは知っているだろう?」
「…うん。」
「僕の持つ 最大出力は資質変換。読んで字のごとく魔導師の資質を一時的に変異させるスキルだ。そして、僕が選んだ対象は砲撃魔導師。つまりなのはと同じ資質だ。当然、その 最大出力も発動出来る。」
「…まさか!?」
「そう、残留魔力の収集も行える。厳密には電撃のエネルギー全てを収集しているが。」
「もしかして、全部このために!?」
「これで終わりだ、フェイト。疾風迅雷、スプライトザンバー!」
「ラウンドシールド!」
フェイトはラウンドシールドで止めようとするが、
「刃はもう一つある!撃ち抜け、雷神!ジェットザンバー!」
「…私、雅に負けちゃったんだ…」
「ああ。」
「…じゃあ、これで…」
「そうだ。これでみんなの世界を救える!」
「えっ?」
「だって、雅はこの世界のために、私達を倒すって…」
「そうだ。この世界を救うことで、みんなの世界の歯車が元に戻る。今度こそ、みんなの世界を完全に救える。」
「待って、話が違う。」
「悪かった。だけど、この方法しかみんなをライダーカードに隔離する手段がなかったんだ。」
「それじゃあ、雅はずっと悪い人のふりをしていたの?」
「そうだ。だから安心していい。詳しい話はリンディ長官に聞くといい。だから今は、ゆっくり休むといい。」
「わかった。雅の言葉を聞けて、安心出来た…」
「……全ての世界…捕まえた!」

「雅は、私達をまた救ってくれた。」
「あの時は、もう手段がなかった。だけど、手段が悪であったことに変わりは無い。」

「凪風雅、国家反逆罪の容疑であなたを逮捕します。」
「リンディさん、どういうことですか!?」
「彼に対する指名手配は取り消されていません。これは順当な判断です。」
「そんな…」
「それでは行きますよ。」
「雅さん、本当に良かったのですか?」
「どうしたのですか?」
「この逮捕劇は確かにあなたの計画でしたが、そもそも私はあなたが逮捕されることは筋違いだと思うわ。」
「この世界では、逮捕されても無罪という可能性もありますから。」
「あなたの場合は無理でしょう。それなのにどうして?」
「僕がやったことは世界を救うことです。しかし、手段は卑劣極まりない犯罪行為です。感情で法を曲げてはいけません。」
「そうですか…解りました。あなたが使っていたものは全て判事に回るように手配しておくわ。」
「ありがとうございます。」
「静粛に。只今より、被告、凪風雅の第一審を開始する。まず初めに、今回の次元保護国での国家反逆行為について、否定はありますか?」
「いいえ、事実です。」
「それではまず、この書類に関してですが…」
「それでは被告、凪風雅に判決を下します。被告は国家の存亡を脅かし、現に全ての国民を傷つけました。本来ならば死刑ですが、犯行の動機、その後の行動には情状酌量の余地があります。よって被告、凪風雅を懲役三年の禁固刑、並びに無期限の仮釈放期間を言い渡します。」

「だけど、雅が帰ってきて、本当に嬉しかった!」
「どうして?」
「だって、こうして、雅と一緒にいられるから。」
「それは僕も同じだ。まさか、誰かと一緒にいられることが、こんなにも暖かくて、幸せなことだとは思わなかった。だから…」
雅はフェイトを見る。
「一緒に過ごそう。チームディロードや、監視対象とか、そういうものを捨てて。これは、クロノ刑事やリンディ長官達の考えではなく、凪風雅として、フェイト・T・ハラオウンさんに言いたい。」
雅は言う。
「やっぱり、雅はそう言うんだね。義母さんに、しっかり相談してみる。」
「リンディ長官には、僕も話す。」
雅とフェイトは、互いの気持ちを知り、新たな道を選び始める。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「行こう、フェイト。」
「うん、雅。」
「我々はドラゴンロード!凪風雅、花嫁は頂いた!」
「我々に、お前の攻撃は効かぬ!」
「今のディロードでは…勝てない!」
次回『新たな敵!その名はドラゴンロード』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
カード紹介
オールワールド(ワールドホープ):雅の世界に応えた全ての世界の希望。それらの世界が雅の世界の危機を救う。
仮面ライダーディロード ラストホーリーナイト:雅とフェイトを希望の力で合体変身させるカード。
オールワールド(ファイナルワールドホープカメンアタックライド):ディロードと全ての世界の希望を束ねた必殺のカード。
ソニック:ディロードをソニックフォームに変身させるカード。
仮面ライダーディロード(ワールドホープ):一つの世界として固定された、ディロードの世界のワールドホープ。雅を仮面ライダーディロード アルティメットフォームに変身させる。
仮面ライダーディロード(ワールドアタックライド):ディロードの世界の力を宿した一撃必殺のカード。
リィンフォース:世界と戦う雅をサポートした初代祝福の風。ディロードをスノーレインフォームに変身させる力を持つが、今は失われてしまっている。 
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