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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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第二部~雅、結婚騒動~
  第25話『二人の思い出』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「アルカ・ノイズ。何するものぞ、シンフォギア!」
「僕の記憶なんて、不味いですよ。」
「「「イグナイトモジュール、抜剣!」」」
「その答えは『赦し』です。」
「それでは、僕所いう異物は立ち去らせてもらいます。」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─
「雅国家象徴、そろそろお嫁さん探しは初めていますか?」
エイミィは雅に質問する。
「エイミィさん、僕はまだ23ですよ?」
「何言っているんですか。クロノ君…じゃなかった。あの人は私と19で結婚しているんですよ。」
エイミィは雅の質問に左薬指の指輪を見せながら言う。
「それはそうですが…」
雅が戸惑うように言っていると、
「そうですよ。国家象徴ともあろう方が、早い段階から子供もいないなんて、将来的に不安な要因になりますよ。」
クロノが現れて雅に言う。
「クロノ刑事まで。僕は装填の守護者。世界を救うことが使命の僕と結婚したら、相手の女性に迷惑がかかってしまいます。」
雅は言う。
「そう言われると思いまして、既にこちらの方でお見合いの準備は進めておきました。明日の正午に、雅国家象徴に相性の良い女性を一人、連れてきますから。」
クロノはそう返す。
「クロノ刑事がそこまで段取りを整えているのなら、信頼しても大丈夫でしょう。わかりました。明日の正午ですね。場所はどこですか?」
「場所はこの国家象徴宅の特別室です。」
「わかりました。お二人の面子、つぶさないようにします。」
「国家象徴、そこまで堅苦しくならないで。お見合いって、そんな状況でやってもうまくいかないですよ。」
「エイミィの言う通りですよ。とにかく、明日は任せ下さい。」
エイミィの言葉にクロノはフォローを入れて二人は国家象徴宅から出て行く。

「義母さん、私のお見合いって?」
その頃、警察庁でフェイトはリンディに呼び出されて話をしていた。
「私だって、フェイトとそんなに年が変わらない頃には、結婚相手を探していたわ。だから不安なのよ。このまま婚期を逃したらって。それでね、丁度いいお見合い相手を見つけたの。だけど、フェイトには国家象徴宅から出てもらう訳にはいかないから、お見合い相手の方に国家象徴宅まで来てもらうことにしてもらったの。だから、明日は頑張って。私も応援しているから。」
「うぅ…わかりました…」
いざなると押しに弱いフェイトは、リンディの勢いに飲まれて承諾してしまう。

次の日、雅はクロノ達と支度をしていた。
「これで大丈夫ですか?」
「うん!ばっちり!」
「こら、エイミィ。国家象徴相手に言葉を選びなさい。似合っておりますよ。」
「クロノ刑事、エイミィさん、ありがとうございます。あれ?扉の向こうにいるのはフェイト?まあ警護の仕事もあるから普通か。」
雅は納得している。
「似合っているわよ、フェイト。」
「恥ずかしいよ、義母さん…」
フェイトは、自身の着ているドレスを見て言う。
「あれ?雅の反応?でも、雅の家だし、当たり前だよね。」
フェイトは納得し、
「それじゃあ、扉を開けるわね、フェイト。」
「それでは、扉を開けます。」
リンディとクロノは扉を開ける。
「えっ、雅?」
「フェイト!?どうして?」
「それはこっちのセリフです。どうして雅がそこにいるの?だって、今日は私のお見合いだって…」
「僕だって、クロノ刑事達からお見合い相手の紹介だって言われて…」
雅はフェイトの言葉に返し、
「クロノ刑事、リンディ長官、どういうことですか!」
リンディ達に質問する。
「見て分からないかしら?今目の前にいる人が、貴方達のお見合い相手ですよ。」
雅の質問にリンディは答える。
「あとはお二人で…」
エイミィもにこやかに言う。
「フェイト、ここにいたら何があるか分からない。ここから脱出するぞ!」
雅はフェイトの手を握り、ディロードライバーを装着する。
「う、うん!」
【ATTACK RIDE-WARP-】
「とにかく、どこか落ち着ける場所に!」
雅とフェイトは国家象徴宅からワープする。

「ここって…」
フェイトは目の前に広がる一人部屋を見て呟く。
「ここは、僕の住んでいた部屋だ。思えば、全てはここから始まった…」

「我を呼ぶのはお前か?」
「なるほど、本物だったのか。」
「願いを叶えるらしいが、その前に何らかの代償はあるのか?」
「用心深いな。もちろん願いに釣り合う対価を失うことになる。かつて、全ての世界を破壊する力を求めた男は記憶をなくし、いくつもの多元世界をさ迷った。当然、その程度の代償はついて来る。だが、本来は叶えられない願い。それくらいはどうともないだろう。」
「なるほど、なら僕の願いは決まった。僕は、この世界に居たって自分の実力の所為で虐められ、もう限界だ!だから、別の世界に行く力が欲しい。そして、そこで友を作りたい!」
「先程の内容を聞いてもなおそれを求めるか。ならば良かろう。この堕天一族のバァルの名の下に、この少年の願いを叶えよ!」
「それはディロードライバー。使用者を装填の守護者ディロードに変身させる物。カードを読み込ませることで戦う力を使える。現在はカードは10枚程度だが、その中の撮影機能を使えばカードは増える。ではさらばだ。装填の守護者ディロード!」
「何故!どうして大ショッカーが!?」
「まったく、この世界の人間は弱すぎる。俺に簡単に褒美を与えようとしているのか?それにしても今殺したこの女はつまらなかったな。何が『兄と父の道場を守る』だなど、俺には関係無い事なのに。」
「雅、本来は戒に反することではあるが、今は非常事態だ。よって、今をもって雅を凪風流十七代目当主に継承させる。さあ、頭首はお逃げ下さい。あとは我々にお任せを。」
龍道は雅を裏口から逃がす。しかし、雅は立ち止まり、
「父よ、無礼をお許し下さい。」
【-DELOAD-】
「変身!」
「大ショッカー!お前達の悪事もここまでだ!」
「何!この世界に戦士は居ないはず。貴様、何者だ!」
「僕はこの世界を救う装填の守護者、ディロード!」

「そういえば、旅を始めた頃は、まだ仮面ライダーじゃなかったんだよね。」
「ああ、そうだった。」
【-WARP-】
雅達はワープする。

「ここは、チームディロードを結成した…」
「古手神社の境内だ…」

「みんな、よく聞いてくれ。大層な事を言っていたが、今の僕では大ショッカーを倒せない。だから僕はこれから別の世界へ渡る。そして、力を取り戻して大ショッカーに挑む。そうすれば、世界は元に戻る。みんなは、僕の旅に協力してくれるか?」
「俺達が生きていれば、世界は無事なんですか、雅さん!」
「ああ。」
「なら、俺達の考えはただ一つだ!」
「俺達は雅さんの旅について行きます。ここに居るより、俺達が生き残る方が重要ですから!」
「そうか。なら決定だ。今から僕達は、世界の希望を紡ぐ装填の騎士団、チーム・ディロードだ!」
「お前か、地獄大使を倒したって奴は!」
「ああ!その通りだ!」
「どうせ死ぬ前だ。名前くらい聞いてやる。」
「確かに、今の僕では、お前たちを倒せない!だが!やがて力をつけ、お前たちを倒す者の名を聞け!僕の名は凪風雅!装填の守護者、いや!仮面ライダーディロードだ!変身!」

【-WARP-】
「でも、そのディケイドの正体は、雅の弟、流夜だった…」
「…ああ。そして、流夜を僕は…」
ディケイドとの決戦の地で二人は呟く。

「ちっ、やっぱり兄貴もカード補充の為に変身を解除したか。」
「流夜、どうしても 避さけられないのか。」
「当たり前だ!邪魔な大ショッカーも消えた。俺を否定した奴らも殺した。後は兄貴、お前を殺せれば全てが俺のものだ!」
「…父上が言っていた流夜は凪風ではないという意味。理解が出来た。」
「雅、本当に戦うの!?」
〝ディケイドライバーさえ破壊すれば、きっと大丈夫だ。〟
「行くぞ、変身!」
【KAMEN RIDE-DECADE-】
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「ディケイド、この世界で決着をつけて見せる!変身!」
「まずはこいつだ。」
【FORM RIDE-AGITO BURNING-】
「なら!変身!」
【CHANGE RIDE-J SPIRIT-】
「なんだ?アギトが相手だからそれに変身したのか?」
「そんなくだらない理由な訳ないだろ!」
「今度は避けられると思うな。凪風流、白虎咆哮!」
「それが狙いだ!凪風流、朱雀炎突!」
【FORM RIDE-HIBHKI KURENAI-】
「やばい!?」
「…これが、闇風の力……」
「だが負けるわけには、いかない!凪風流、奥義!」
「凪風流、奥義・始祖!」
「始祖だと!?だが、負けるものか!凪絶つ風!」
「天馬牙突!」
「そんな……」
「どうだ!これがお前達が否定していた闇風だ!」
(やはり、流夜には、闇風には勝てないのか……)
【ATTACK RIDE】
「…しまった!このカードをスキャンするわけには!?」
「なんだ?面白そうだな。」
【-BEAST-】
「ッガァァァアッ!グァアアアッ!」
「よぉ、流夜。お前は俺の逆鱗に触れた。殺すには充分な理由だ。」
「おっ、ようやくその気になったか!」
「やべえ、すげぇ楽しいぜ!」

「そして、僕は…」
雅は呟く。

「みんな!ディロードが暴走する前に、僕を殺してくれ!」
【WORLD HOPE-JIGOKU SYOUJO HUTAKOMORI-】
「鬼狩流桜が!」
「何なんだよこいつ!雅さんはどこへ!」
【SOUL RIDE-DELOAD-】
「雅!」
「ついに、この時間でもこの姿になってしまったのか。」
「雅さん、今助けに行きます!」
「それは不可能だ。こいつは装填の邪龍、ディロードドラゴン。激情態となったディロードが目的を達成した時に覚醒する。みんな、ディロードドラゴンの心臓部を見てほしい。透明な存在の炎があるはずだ。」
「ありますけど…」
「その炎が尽きた時、ディロードドラゴンは自壊し、ディロードは始まりの夜に戻される。」
「雅さんの旅が、振り出しに…」
「それだけならいい。本当に辛いのはここからだ。その存在の炎を消費する際、ディロードドラゴンは自身が関わった世界のエネルギーを使って肩替わりする。」
「それって!?」
「ああ、死ぬ前に僕が関わった全ての世界を滅ぼすということだ。このまま放置すれば、みんなの世界も滅ぼして、僕は死ぬ。そこで、そうなる前に、チームディロードのリーダーとして、最初で最後の命令を与える。この命令には従ってほしい。現在、ディロードドラゴンは完全覚醒していない。そこで、完全覚醒する前に弱点である心臓を破壊するんだ。この際、ディロードドラゴンに囚われている人質の生死は問わない。」
「できるわけないよ!」
「雅、他に方法は無いの!?」
「フェイトちゃんと梨花ちゃんの言うとおりだ!」
「そうですわよ!」
「雅、みんなで手を考えましょう。」
「それは不可能だ。かつて、72年前に初めてチームディロードを作った時、ディロードドラゴンに挑んだみんなは、ディロードドラゴンの圧倒的な力の前に敗れ…」
「でもそれって、戦うからでしょう?私たちは雅を助け出したいの!」
「その時も、みんなはそう言って、何も出来なくて、結局完全覚醒したディロードドラゴンと戦い、そして僕の目の前で僕によって殺された。もう時間が無い!今ディロードドラゴンを倒せば、みんなと、僕が救った世界は守られる!頼む!僕を邪悪な怪物にさせないでくれ!」
「もう…手遅れだ……みんなの世界を…これ以上傷つけたくないのに……」

「だけど…」
フェイトは思い返す。

「雅、ごめん!」
[jet zanber.]
「ッ!みんな、もしかしたら、雅を救えるかもしれない!」
フェイトは希望を見出す。
「本当かフェイトちゃん!」
「うん。まず、誰かディスペアドライバーを出して。」
「わかりました。」
【SUMMON RIDE-DESPAIR DRIVER-】
羽入はディスペアドライバーを召喚する。
「それから、私達で全力でディロードドラゴンの左腕を破壊して、雅の左手を自由にさせる。あとは私がディスペアに変身すれば、きっと雅を救えるはず。すぐに始めよう。」
「オッケー!」
【FORM RIDE-OOO TAJADOL-】
「わかったわ。」
【FORM RIDE-FROZE MAGNET-】
「スプライトザンバー!」
【FINAL ATTACK RIDE-O O O OOO-】
【FINAL ATTACK RIDE-FRO FRO FRO FROZE-】
「雅、ブレイクディスペアで行くよ!」
〔ブレイク!〕
「あ、ああ!」
〔ディスペア!〕
「「変身!」」
〔ブレイク!ディスペア!〕
“フェイト、ありがとう。”

「フェイトのおかげで、僕は戻ってこれた。あの時は、ありがとう。」
雅はフェイトの手を掴みながら言う。
「大袈裟だよ、雅。私達、友達だよ。」
フェイトはそう返す。二人の回想は終わらない。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「確かそれから、この世界に奇跡が起きて…」
「あの時は、ここがこんな風になるとは思っていなかったよ。」
「だけど、雅は…」
「あの時は、もう手段がなかった。」
「雅が帰ってきて、本当に嬉しかった!」
次回『溢れる思い出』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
カード紹介
装填の守護者 ディロード:覚悟の足りない雅が変身に使用していた、ディロードの変身用カード。
仮面ライダーディロード:仮面ライダーになる決意を固めた雅が変身に使用する、ディロードの変身用カード。
ワールドホープ:各世界(作品)の希望をデータ化した力。雅が世界の危機を救うと消滅し、雅との関わりを断ち切る。
ビースト:ディロードの危機を感知し、ディロードを激情態に変えるカード。 
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