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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百五十七話 イタワッチさんの好きなものその九

「主人公と頼りになる学友、仲間達でね」
「新選組もよね」
「そうそう、芹沢さんは悪役ばかりだけれど」
 最近実像がわかってきて変わってきただろうか。
「近藤さん土方さん沖田さんがいてね」
「その三人が軸よね」
「志士達とは毅然と戦う」
「そんな風よね」
「それで志士の人達も」
 新選組が主役でもだ。
「別に貶められたりとかね」
「そういうことはないわよね」
「うん、けれど龍馬さんは」
 この人を主役にするとだ。
「そうなるんだよね」
「土佐藩の上士の人達が酷いのね」
「龍馬さんは一人でも素晴らしいけれど」
 キャラが立っている、開明的で前向きで明るくてそして飄々としたところもある。確かに素敵な人だ。
「敵役が酷いと」
「余計によさが際立つから」
「だからなんだ」
「そうした人達が酷く描かれるのね」
「実際とは違うまでにね」
「そこまで酷いと」
 イタワッチさんは僕にこう言った。
「子孫の人から文句くるでしょ」
「容堂さん達の」
「こない?おられるでしょ」
「実際に抗議したことあったらしいよ」
「ああ、やっぱり」
「司馬遼太郎さんにもね」
 本当にそうしたことがあったらしい。
「漫画の方にもね」
「史実と違うって」
「うん、悪く描き過ぎだってね」
「事実を超えて悪く描かれていたの」
「人間の屑みたいにね」 
 容堂さんも後藤さんもだ。
「本当に身分が低い人を虫ケラみたいに殺す」
「傲慢で」
「そんな極悪人に描かれていたけれど」
 しかも人相も悪くて下品に見えるというおまけつきだ。
「実際はどの人も違ったから」
「板垣さんもよね」
「板垣さんなんか龍馬さんと会ったことないし」
 一度もだ。
「それで合っていてね」
「龍馬さんを馬鹿にしたりとか」
「するから」
「酷いわね」
「実際はお互い認め合っていたんだ」
 面識はなくてもだ。
「凄い人がいるってね」
「そうだったのに」
「しかも親戚同士で」
「縁もあったのね」
「それで冷酷で傲慢な悪人に描かれるから」
「たまったものじゃないわね」
「板垣さんって江藤新平さんの助命も嘆願してるし」
 処刑されるその時にだ。
「後藤さんは江藤さんが手配された時写真持ってるなら出せってね」
「そう言われたの」
「けれど友達だから断るってね」
「言ったのね」
「そうだったんだ」
 しかもそれでお咎めなしだった、この辺り明治政府も情があると思う。
「このことから見ても悪い人じゃなかったから」
「そうよね」
「だから僕龍馬さんが主人公の作品はね」
「そのことを注意してるのね」
「土佐藩の上士の人が悪く描かれているか」
「若し悪いと」
「面白くてもそのことを割引いて」
 そのうえでだ。 
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